第13話 学食での昼食
キーンコーンカーンコーン。
午前中の全ての授業が終了し、教室全体が騒がしくなる。
事前に教材やノートを机に仕舞った俺は教室内の誰よりも早く席から立ち上がる。
「馬場君! またどこか行くの? 」
俺の動向を見張っていた相澤から呼び止められる。
「うん? ご飯ないから食堂に行く予定」
俺は視線を向けて答える。
「そう。なら、私も食堂に行く」
相澤は片手に弁当袋を持って席から立ち上がる。俺を待たせないように駆け足で来る。
「相澤さん、ずるい! 私も! 」
「私だって!! 」
「私も!! 」
相澤の動向に過敏に反応し、他の女子のクラスメイト達も次々と俺の下に集まる。10人以上が集まる。
「食堂に行くだけだよ? いいの? 」
俺は申し訳なさを感じ、女子達に尋ねる。
コクッ。
相澤を含めたクラスメイトの女子達は首を縦に振る。
「そっか。なら行こうか」
俺は前を向いて歩を進める。
「「「はい! 」」」
相澤を含む女子達は動きに倣い、ついて来る。1つの短い列ができる。
そのまま俺と女子のクラスメイト達は教室を後にした。
俺を先頭に女子クラスメイト達が後を追う形で廊下を進む。
当然、目立つ。廊下に身を置く全ての生徒が注目する。
そんな状態を階段、廊下、食堂まで続ける。
食堂は校舎の離れた場所にあるが、競争が激しい。その証拠に既に4メートルほどの列が形成されていた。
俺は最後尾に並ぶ。
相澤が俺の後ろ、さらに他の女子達も後ろに並ぶ。
「食券買って待つけど。席を確保しなくていいの? 」
俺は真後ろの相澤に尋ねる。
「大丈夫。既に確保していると思う」
相澤は1つの方向を指差す。
俺は相澤の指差す方向を目で追う。
その先には1人の女子のクラスメイトが人数分のお冷を準備して席を確保していた。
「なるほど。それなら安心だね」
しばらく並ぶと列が進む。どんどんはけてゆく。
ようやく俺が食券を買える順番が訪れた。
券売機に1000円札を挿入し、オーダーについて悩む。
一方、相澤や他のクラスメイト達はジッと俺の一挙手一投足を観察する。
俺は居心地の悪さを感じつつ、カレーライスを選択する。
券売機からカレーライスの食券が吐き出される。
食券を手に取り、提供口に向かって並ぶ。
前に並ぶ生徒達は食堂の職員から注文した商品を受け取る。
効率のいい回転率でどんどん列がはけていく。
俺の頼んだカレーライスも食券を渡して、しばらくして提供された。
俺はカレーライスの入った皿をお盆に載せて、予め確保された席まで移動する。
俺が適当に席に座ると、相澤が隣に腰を下ろし、他の女子クラスメイト達も取り合うように席を確保する。
周囲を確認する。
皆、俺の次なる動きに対して待機しているように見える。俺だけに視線を向け続ける。
「…いただきます。みんなも食べていいからね? 」
俺は両手を合わせて食事の挨拶をする。
俺に倣って他の女子達も挨拶をする。
俺は、その光景を横目にカレーライスをスプーンで口に運んだ。
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