青い光の約束
校舎の屋上から見える夕焼けは、まるで燃えるように赤く染まっていた。
柚葉は深く息を吸い込み、風に揺れる髪をそっと押さえる。
文化祭から数日が過ぎ、学校はいつもの日常に戻っていたが、心の中はまだ熱く、ざわついている。
「ねぇ、柚葉」
背後から声がした。慧だった。
彼の表情は真剣そのものだった。
「なに?」
柚葉は振り返り、柔らかな笑みを浮かべる。
「俺、話があるんだ」
慧は少し躊躇いながらも続ける。
「文化祭のこともあって、いろいろ考えた。俺たち、これからどうしていくか」
柚葉は頷きながら、心の準備をした。
二人は夕焼けに染まる空の下、未来の話を静かに交わした。
その時、結衣が屋上の階段を登ってきた。
彼女はため息をつきながらも、どこか晴れやかな表情をしていた。
「二人とも、何話してるの?」
結衣は少し照れたように笑う。
柚葉は二人の間に立ち、深呼吸をした。
「私たち、これからも一緒に頑張ろうって話してたの」
その言葉に、結衣の顔がパッと明るくなった。
夕焼けが夜の星空に変わっていく頃、三人はそれぞれの想いを胸に、静かに未来へと歩み出していた。
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