夜の目
tokky
走るやみ
一
争いを諦めない朝までは
蘭麝のにおいを振りまいて
川下から遡る
我は阿修羅か摩利支天
歓びは破戒
撃て
荒野はそこになくとも
二
夜を廻る地脈は
瑠璃の硬質
野原もアスファルトに塞がれた窓の外
典章はどこにあるのだろう
唐草と共に息をひそめている
結び目をほどけ
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