みずみずしい不純

君が待つマンションへ帰る運転をゆだねた貴方の掌おおきい

「月が綺麗」と囁く貴方の腕に揺れるクロムハーツのやらしいヒカリ

享楽にこころをゆだね貞淑に身体を固めて貴方をみつめる

うるおいは粘膜から来る外からは子が泣くように雨音がする

俺にだけ可愛がられろと撫でてくる貴方の掌で身体が溶ける

終電を乗り逃したと君に向け嘘を打つ指先のふるえよ止まれ

人生はゲームなんだとうそぶいて何度も新着通知を確認

真っ白なシーツの上で一人きり重い瞼をこじ開け早朝

夢であれと祈る腕には蛇のごと巻き付いているクロムハーツが

午後八時貴方のブレスは質屋にて五万円へと換金された