パントゥンとタリブン──韻を踏む四行詩と六行詩

Daihaci_no_Tsuki

第1話

月の光は夜を照す

照らすころ 夢が語る

永遠など信じすぎず

いざに備えよう 終わりは来る


古い市場へ歩いて行く

みかんを買って 忘れずに

季節は巡らず ただ過ぎる

暑い日々 三百六十五日


もし 月のせいじゃなければ

星たちさえ 夜空に昇らないだろう

もし 季節が短いと感じるなら

悩むよりも 楽しんでみよう


空に浮かぶ黒い雲

枯れた畑の願いは もうすぐ届くだろう

ついに雨が降る 虹もかかる

お金より大切な友

心に咲いた名前を呼ぼう

風がそれを運んでくる


白幕が広がる 集う人々

眠ったバナナの木に 突き刺した影人形たち

ゴングの響きとともに 戦いが始まる

祈りだけでは救われない人

呪われても生き延びる者たち

頑張ってこそ明日に向かえる


土に降りた小さな鳩

風に揺れる草の実をくちばしに

人の目にふれ 空へ飛び立つ

お互いに頼れる人々

崖に竹が根づくように

息ぴったりで支え合う


右は山 左も山

真ん中にあるのはジャワ島

詠み人あわてて 詩もぐちゃぐちゃ

せめて笑える それでじゅうぶんだ

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