XX3年2月29日 マリーゼ


お父様もお母様も、

今年も帰って来れないのね。

、、、あら、私の愛する妹、メーベルが見当たらない。どこに行ってしまったのでしょう?


「メーベルなら押し入れに向かったわ」

ヴィーナお姉様、いらしたのね。

「ありがとうございますわ」

はやくメーベルを探さないと

相変わらず鼻につく態度のお姉様。

もしメーベルに何かあったら、、、

幸い、2階の階段からメーベルが見えた。

「メーベル!」

大声で呼んだ瞬間メーベルが振り向き叫んだ

「マリーゼお姉様!後ろッ!」



その瞬間脚から嫌な音がした。

私の大切な脚。

バレリーナには欠かせない脚。

変な痛みと冷や汗にいてもたってもいられなくなる。

痛い。痛い。痛い。

声にならない声が階段下の廊下に木霊する。

最後に瞳に映ったのは、

階段上から覗くヴィーナお姉様だった。

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とあるバレリーナの日記帳 石月華月 @ishiduki_kagetu

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