古色礼讃 ―時代遅れと呼ばれた男。知を紡ぎ、魔法世界を覆す―
りくとれん
第0話
知紡ぎ(ちつむぎ)――それは、ホコリとインクとため息にまみれた、書斎の住人。
古書を解析し、解釈し、翻訳する。知を次に繋ぐ、高尚な営み……なのだが。
今どき杖を振ればピカッと光ってドカンと爆発。理屈や理論など、魔力の前ではチリと化す。そんなノリと勢いの時代だった。
「古書? そんなもん、何の参考になんの?」
最先端の魔法を、コスパ良く学ぶ――魔法学校のカリキュラムを疑う者はなかった。
「500年も前の古書から学ぶ? あの、タイパって言葉知ってます、オジさん?」
そんな言葉は知らない。
しかし古書の、その深さと可能性は誰よりも知っていた。
魔力全盛の、現代魔法の舞台に立つことすら許されなかった男――レオン。青年期を過ぎ、オジさんと呼ばれる歳になっても、彼は懸命に一文字ずつ掘り起こし続けた。
時代遅れと笑われたその知に、未来を変える鍵が眠っていると信じて。
これはモダンな世界から落ちこぼれの烙印を押された男が、アンティークな知識を武器に、(古書のカビと虫喰いに絶望しながらも)運命を切り拓いていく、そんな物語である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます