第7話

それでも俺は今まで俺のことで散々、悪口や


噂話などを家族だけでなく近所の人や学校の


子供、先生などから受けてきた。だから人間


なんてみんな一緒と思っている。そう思い


ながらチラリとおじさんの方を見ると、


たまたまおじさんと目があった。おじさんは


温かな目で「君の名前は?」と聞いてきた。


俺はその質問に「優吾」と言うと、


その人は「優吾か!じゃあ優吾、何でこんな


時間に公園にいるんだ?」と直球で聞いて


きた。俺は「あんたに別に関係ないだろ?」


と自分の事に踏み込まれたくないので、そう


咄嗟に返した。するとおじさんは何故か少し


悲しそうな目で俺をみた。俺はびっくりして


「なんでそんな目でみるんだよ」と言うと、


その人は「放っておけないから」そう返して


きた。さっき会ったばっかりなのに。


おじさんは俺の近くに置いてある荷物に


気づき「家出したのか?」と聞いてきた。


俺はもう会うこともないし良いかと思って


「違う。家族に縁切られて家追い出された」


と正直に話した。もうどうでも良いし。そう


思っていると何か考える素振りをした瞬間、


「俺の家来るか?」と聞いてきた。俺は


「はぁ?意味わかんねーし。ってか赤の他人


を家に連れてくって不用心すぎないか?」と


言うと「さっきも言ったとおり、放って


おけない。それに俺には優吾が悪い子に


見えないしな。俺は人を見る目には自信が


あるんだ。」とニヤッとしながら言ってきた。

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