第2話 森の中



森の中を歩き出した私は生きていくためにまずは飲料、水をまずは探すことにした


森の中は所々陽の光が差し込み、見たこともない植物が生い茂っていた。

幻想的でとても美しい


突然茂みが「ガサり」と揺れるとそこから成人男性程の背丈で緑の肌に、尖った鼻を持ったなんとも酷い顔をした生き物が飛び出してきた


「グギッ!」


声までも酷く痰が絡んだ様な声をしていた


私を狙っているのか手には棍棒を握りしめ口からはヨダレを垂らしこちらに棍棒を振り上げると、

こちらに向かって走ってきた


これはゴブリンと呼ばれるものだろうか、もっと小さいイメージだったが意外と大きく筋肉質な体をしている。


なれない体を動かし、右に身を捻って棍棒をかわすとすぐさま左足で前蹴りを放つ


「キーッ!」


蹴りがゴブリンの腹に当たると腹が陥没し、紫色の血と内蔵が飛び散った


「グギヤッ」


ゴブリンから目の光が消えると後ろに倒れた


生き物の命を奪ったことのなんとも言えぬ感覚を覚える


だが生きるためと割り切ることしかできない

せめて奪った生き物の肉や爪や毛皮は何かしらに活用するか食したい


ゴブリンは食えるのだろうか、皮は使えないし爪なんか黒ずんでおり汚らしいので出来れば使いたくない


肉なんて紫色の血液が溢れて緑色の肉と混ざりあってとても食用には見えない。


前世で呼んだ作品にもゴブリンが食用になっていた作品を私は知らない


申し訳ないがゴブリンはそのままにしておくことにした

いずれ他の生物が食べるか分解されて土の栄養になるだろう、

それも自然の摂理だ


ゴブリンは前世でのGだと思おう。


近くに他のゴブリンがいる可能性もあるので何にも活用できないゴブリンは襲われても困るのでその場を後にする



しばらく歩いたがゴブリンに襲われることはなく平和に水場を探していると僅かに水の流れる音がした


そちらに向かっていくと川幅が10m程の川があった


少し乾いていた喉を潤すために川に近づき水をのぞき込むと


水は綺麗にすんでおりそのままでも飲むことのできそうだった、


私の顔も映り込んでおりそこで初めて自身の顔を見たが鷹のような顔に氷青の目をしていた。


自分の顔を見たところで水に嘴をつけて水を飲むと水は冷たく乾いていた喉を潤していく


汚染されていない川の水がこんなにも美味いとは、


この近くに住処を作ることにした


雨で増水した時に水浸しになると嫌なので川から少し離れ少しだけ川よりも高い場所に住処を作ることにした



まずは草を嘴でつまみながらちまちまと邪魔な大きいものだけを取り除く。


腰が痛くなることのない体に少しだけ感動した


続いて木が何本かはえていたので木に囲まれて中心を寝床にすることにした、


人間のような家ではむしろ使いにくいかもしれないのでそこまで凝った住処にする必要は無い


邪魔な木を切り落とさなければならない、


蹴りでへし折るのもいいが出来れば倒した木は使いたいので綺麗な状態で取り除きたい


魔法で切り倒すことにした


頭の中で氷の剣を作り出す。日本刀のように斬ることに特価させた剣をイメージすると一振の氷でできた刀ができた、


刀からは冷気が出ていた。

それを刀のように弧を描く振ると何も無かったかのように刀が通り過ぎるとずるりと木がずり落ちた、


切断面には霜がおりていた、


切った木をアイテムボックスに入れるように収納と唱えると木がシュンとその場から消えるとアイテムボックスの中身が頭の中に浮かんだ


切り株は前足でほじくり出すとアイテムボックスに収納していく


何本かの木を取り除くと私の体が複数入ることの出来るほどの空間ができた


私の今の大きさは肩までがおおよそ2メートル、体長3.5メートル、翼を広げると6メートルほどにもなるが翼を広げても10匹?は入ることが出来るほどの大きさの円形の空間ができた


直径がだいたい70メートル程だ。その空間をぐるりと木が取り囲んでいるがその隙間を先程収納した木で柵を作り木と一体化させることで繋がった木から栄養を取り込み腐ることの無い柵を作りたい



先程の木を10本取り出す。残りは気の切り株しか残らない。

1本1本が太さ1.5メートル程、長さが20メートルもある立派な木なのでそれを圧縮して高さ2メートル程の柵にする。


圧縮すれば重さも出るし柵から根を伸ばして地面から栄養と倒れにくさを付け加える、



それをイメージして木材と木に大量の魔力を流していく。先程魔法を氷刃(ひょうじん)と名付けた魔法を使用した時に感じた暖かいものが動く感覚を思い出しその流れを木と木材に流れ込むように込めてみる。

体から出た魔力がバチバチと蒼雷が走る


体から魔力が木材と木に流れ込んでいき木材が柵のような形になり木の間に並んで大地に刺さっていく



全面を柵と木に覆われた空間ができた。心なしか木が以前よりも黒ずみ固くなったようになり葉も色が濃くなったように感じる、


以前よりも元気になったような喜んでいるように見える


住処の防御もいい感じに出来た。


木と柵から僅かに私の魔力が出ておりバチバチと蒼雷が走っていた


予想外だが防御面を強化することが出来た


未だ日は高い位置にあるので今日の食料を確保することにした




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