微熱

kaoru

第1話

今日も憂鬱ながら学校に向かう薫。いつもと同じいじめ。何も言ってないのに。誰も傷つけてないのに。黙って耐える日々。両親は他界し、一人暮らしでひっそりと泣く時間が多くなる。婚約者の俊は働いているからなかなか話さずにいる。だからまた同じ毎日。苦痛に顔を歪めながらも気丈に振る舞う薫の中で感情が溜まり始める。


俊は毎日の時間が忙しく過ぎていった。なかなか婚約者の薫に会うこともできず、連絡をとるだけで安心していた。俊の仕事はそうのすけだった。国に来る様々な問題を解決する為に思考を巡らせる。まだ20代だったが、俊の才能に周りの人が魅了され若くしてそうのすけを引き継ぐ事となった。


薫が高校2年生の夏休みの時期だった。今日も薫に俊からのおはようメールが届く。おはようと返して、また眠りにつく。薫はロングスリーパーだった。

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