第2話サユリの かみヒコーキ

えきまえの えきビルの きっさてん サユリとサクラが 3がい まどぎわの せきで はなしている

おさななじみの サクラが ナンパされた おとこと こいびとに なりたいので きとうしてほしいと たのむ

サユリ「ほんきなの? てつだうのは いいけど だめでも しらないよ」

サクラ「だいじょぶ わたしに まかせて」

サユリ「いや いや あんたが やるのは かみに ねがいを かくだけ だから」

サユリが リュックから ようしと ふでペンを とりだし サクラに わたす

サユリ「じは まちがえないでね」

サクラ「まちがえたら どうなるの?」

サユリ「だめになるか まちがったように なるかよ」

サクラ「なにそれ?」

サユリ「かれしに なりたいを 

かれ しになりたいと かいたら かれ しんじゃうかも」

サクラ「それ やばいじゃん!」

サユリ「だから いってるじゃない まちがえないでって これは まじゅつとか おんみょうじ の たぐいなんだから あそびで やっちゃ いけないのよ」

サクラ「・・・」

サユリ「どうする やめとく? もうすこし かんがえる?」

サクラ「・・・かんがえる」


サクラと わかれて サユリは まちはずれの おかのうえの じんじゃにいく ひとけはない とりいに やしろ だけの ちいさな じんじゃで かんぬしは じょうちゅうして いない まつりの ときだけ やってくる

サユリは おまいりして やしろの はずれにある ひろばに じさんした てつのナイフで ごぼうせいをかき その ちゅうしんで かみと ふでペンを とりだし 

【サクラを わるい おとこから おまもり ください】

と かいて もじが かくれるように かみヒコーキに おると ごぼうせいの ちゅうしんに たちあがり 

サユリ「わがねがい ききたまえ」

と となえ とりいに むけて かみヒコーキを なげると かみヒコーキは とりいを くぐり そのまま まちにむかって とんでいく

サユリ「あとは かみさま しだい」

と つぶやき じんじゃを あとにする

かみヒコーキは ゆったりと まちにむかって とびつづける まるで いきているように

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