君の声〈 〉
まるで跪くかのような戦闘体制
私はまだ、同じ戦闘体制の人間を見たことがない
この戦闘体制は、さくまがわたしに教えてくれたものだ。
これは、私とさくまだけのもの。
なのになぜ悪魔がそれをこんなにも使いこなしているのか
このスピード、この威力
思考が混乱した。
目の前にいるのは誰なのだ
悪魔か、さくまか。
言動を見るには確実に前者なのである
しかし、口調も見た目もさくまなのだ
そんなことを考えているうちに、こいつは間合いを詰めてきた
油断した…わけではない
奴はにやり、と笑う
そいつの拳が私の首へ飛んでくる
首、急所。
あの威力で、パワーで喉を殴られたらどうなるのだろうか
背骨の上部骨折、下手しりゃ頭が吹っ飛ぶのではないのか
殴り返さねば。
反撃しなければ。
まだ、間に合う
この一撃は私の命を奪いにきたもの
さくまは私を殺さない。そう確信しているのに
体が
うご、、かな、、、、ぃ
剣と何かがぶつかり合う音がした
「ぼさっとするなよ、にちか!」
「へぇ、いいお友達を持ったもんだ。俺は関心したぞ」
私を抱える太陽の手に切り傷が
一瞬、顔を歪めた太陽を私は見逃さなかった
私があの瞬間、動けなくなったせいで
胸の中に溢れる後悔の念
太陽に軽くお礼を伝える
「おい悪魔」
「なんだぁ、?笑」
今からお前を
『殺す』
。
私の顔に特有の紋様が浮かび上がる
「爆」
すると豪快に悪魔あたりが爆発する
「水属性魔法憂い羅水創氷心」
ひなたの声
爆発した中央に向かって無数の氷柱が突き刺さる
「さらに追加で地属性魔法、縁源正慶樹!」
どこからかその氷柱を這うように木の根が伸びてまた煙の中へ
先ほどの禍々しい気配は忽然と姿を消していた
禁忌に咲く @suzuran0920
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