心底

@Ngy_351

心底

2012年3月15日 

 

私は岡山県に生まれた。

ごく普通の家庭だった。


2018年4月8日


小学校の入学式。

私は幸せだった。

これからの生活に希望を持っていた。


2019年6月23日

担任に叱責された。

朝礼時にうるさかったと。

とても落ちこんだ。


2019年8月14日

母親に怒られた。

なぜ兄が読んでいた本を落としたのかと。

私は兄が悲しむようなことはなにもしていないと思っていた。

ただ、何の気なくしたことだった。

だから、私は何が悪いのかわからなかった。

ただ謝るのがいやだった。

そしてどうすればいいのかわからずに泣いた。


2019年8月26日

家族と大阪旅行へ行った。

都会を見るのは初めてで、とても楽しかった。

おいしい食べ物も食べた。

ほかのことは何にも考えられないくらい楽しかった。

また行きたいと思った。


2019年9月1日

兄に意地悪をされ、とても嫌で悲しかった。

しかし親は兄に怒ったりはしなかった。

私は泣いた。

だがどうにもならなかった。

前に怒られたのを思い出すと余計に悲しくなった。


2019年9月9日

私は通っていた英会話教室が嫌だった。

親に駄々こねた。

でもそんな簡単に休めるものではなかった。

そして英会話教室がある近所の公民館まで行った。

それでも私は嫌だった。

泣きじゃくった。

教室の目の前まで来ていた。

友達もいた。

それでも叱責された。

私は目を真っ赤にしながら訴えた。

嫌だと。

でも親はだめだと言って私を連れて行った。

友達にも馬鹿にされた。

もっと涙があふれてきた。


2019年12月31日夜12時頃

私は年越しをしようと夜遅くまで起きていた。

親戚と遊んだりした。

神社へもいった。

楽しかった。


2020年2月22日

兄と姉と喧嘩した。

ゲームの取り合いだ。

私がゲームを取ろうとしたのだ。

私は怒られた。

そして反省した。

でもその中にはなぜか自分を正当化する自分もいた。


2020年3月14日

担任に怒られた。

なぜ私だけノートをとっていないのかと。

周りの友達としゃべっているのかと。

私は思った。

なぜノートをとる必要があるのかと。

テストでは満点をとれるのに。

でも私はとりあえず謝った。

そうすればその場は乗り切れるから。

でも担任の気を満たすために謝るのが嫌だった。

自分は本当にひねくれた奴だと思った。


2020年3月15日

今日は私の誕生日。

家族みんなで食べるケーキはおいしかった。

私は笑顔だった。

でも楽しくはなかった。

毎日のように大人に怒られているのが嫌だった。

自分だけが理不尽に怒られているようにも感じられた。

夜寝る前にそんなことを考えていると涙が出てきた。

胸を締め付けられるような、心に傷がつく感覚があった。

初めての感覚だった。


2021年5月4日

私もついに小学校高学年の仲間入りだ。

楽しみだった。

でも私の中には低学年を使えると思っていた本当に人としてダメな自分もいた。


2021年7月19日

ついに夏休みが来た。

うれしい気持ちと嫌な気持ちで半々だった。

夏休みはゆっくりできるからうれしい。

そんな気持ちと宿題に追われるかもしれないという気持ちがあった。


2021年8月3日

近所の友達二人と町のお祭りに行った。

私は間違いなくこの二人と一緒にいるのが一番楽しかった。

この日の花火はいっそうきれいに見えた。

なぜかわからない。

けどこの日のことがことさら楽しく思えた。


2021年8月16日

友達とお祭りにいったことなんてもう頭の中にないころだった。

私は家でゲームをしていた。

もちろんスマホはもっていない。

ゲームかテレビ、漫画ぐらいしかやることがなかった。

私は宿題をまったく進めていなかった。

案の定親に怒られた。

早くやりなさいと。

計画的にやりなさいと。

私はなぜだろうと思った。

私はいつやろうが終わればいいのではないかと親に言った。

だがしかし親には怒られ続けた。

私はなぜかわからなかった。

親にはじゃあ最後まで残してやってみろ、絶対終わりはしないとまで言われた。

その日の夜、私は泣いた。

高学年にもなったのに情けないと思った。

男なのに情けないと思った。

私は何を言っても自分は理解されないんだと思った。

もう何もやりたくないと思った。

私は今までのこともすべて心の底には残っていた。

とても人生生きるのが嫌だった。

この日記に書ききれないほどの出来事がどんどん頭をよぎっていく。

だが同時にこんなことで悩んでいるのは情けなく、おかしいとも思った。


2021年8月29日

学校の始業式。

体育館で酷暑のなか体操座りで先生の話を聞いていた。

とても眠かった。

気づけば寝ていた。

先生に怒られた。

でもそんなことはもう気にしなかった。

それはそんなことよりも学校が嫌だったからだ。

友達との関係、先生との関係が面倒くさく、いやだったからだ。

できるだけ一人でいたかった。

だがそういうわけにはいかない。

学校では明るく、楽しそうに友達と接した。

帰り道は一人がよかった。

近所の二人と帰るのは楽しかったがそれよりも一人の時間のほうがよかった。

友達には用事があるからと言ってごまかしていた。

友達をだまして申し訳ないと思った。


2021年8月30日

私は友達と遊んだ後、家に帰ってきた。

何気なく自転車を置いた。

その後、兄が自転車で塾から帰ってきた。

兄は家に入った後、私に言った。

もっと自転車を寄せて置け。

私は意味が分からなかった。

次出せるのかギリギリの場所に置いていた。

姉はとても余裕のある場所に置いていた。

姉にいうべきだといった。

そのとき、親が話に入ってきた。

そして兄を怒ってくれると思いきや私が怒られた。

人のことはいいから自分が反省しなさい。

私は意味が分からなかった。

本当に意味が分からなかった。

でももう何を言っても無駄だと思った。

もうあきらめた。

何も言わないまま自分の部屋へ上がった。

夕飯も食べなかった。

父親に助けを求めたかった。

しかし父親は単身赴任で東京にいる。

私には逃げ道がなかった。

私は泣いた。

もう泣き飽きた。

でも涙は自然に流れてきた。

泣きたくない。

頭が痛い。

夜、涙も止まらず一人で泣いていたら母親が部屋に入ってきた。

母親は私にやさしく言った。

ごめんね。言い過ぎたかもしれない。でも自分が悪かったのはわかる?と。

母親は私がこの時一人で泣き続けていたのをこの時知ったのだろう。

涙がもっと出てきた。

母親がこんなにも優しかったなんて。

でも自分が悪かったとは思っていない。

でもそんなことどうでもよかった。

母親に心配され、養護されたのがうれしかった。

その日は安心し、すぐに寝た。


2021年9月6日

私は外で遊んでいた。

そしてふと思った。

前みたいに心から楽しめない。

なんでだろう。

どれだけそんなことを考えていただろうか。

あぁ前に戻りたいな。

まだ小学5年生か。

早く大人になりたい。

そうすれば自由なのに。


2021年9月28日

夜、テレビを見ていた。

母親に怒られた。

早く寝なさい。

兄も私に言った。

早く寝ろよこいつ。

私は殴りかかろうかと思った。

兄は何を思って私にその言葉をかけたのだろうか。

その時私は思った。

兄とは分かり合えないな。

と。


2021年10月8日

兄と母は喧嘩していた。

高校受験のことだ。

兄は受かりそうになかった。

この時期にF判定だった。

兄は泣きながらこう言っていた。

こんなことなるぐらいだったら高校いかない。

精神を削ってまで高校はいかないといけないのか。

心が弱いなと思った。

こんな俺よりも。

しょうもない。

こんな苦しいふりして。

恥ずかしくないのか。

つらいつらいと言っておけば助けられるって。

こんなのにはなりたくない。

あぁ我慢しろよ。

でも自分も意外とこうなったりするのかな。


2021年11月16日

兄と喧嘩した。

私は毛布をかぶって今年買ってもらったスマホを見ていた。

兄は私に言った。

その毛布頂戴。

私は言った。

そこにもう一つあるじゃないか。

すると兄は言った。

お前があれを使えよ。

もう一つの毛布は明らかに小さいものだった。

兄は自分がそれを使いたくないがために私から毛布を奪おうとしていた。

そうこうすると兄は言った。

スマホ見るだけだろ。

そして毛布を奪っていこうとつかんで取ろうとした。

私も毛布をつかみ、抵抗した。

母に助けを求めたかったが母はいなかった。

兄は私を引きずり、蹴った。

私はもう泣いていた。

おかしいだろ。

私は必死に抵抗した。

最後には取られた。

私はふと兄に言った。

死ね。

兄は激怒した。

もの凄い勢いで罵倒した。

私も言い返した。

だがそれにもっと激怒し、罵倒した。

蹴ったり、部屋の端に追いやって罵倒したり。

正直なところ殺したかった。

私は自分の部屋に戻った。

涙が止まらなかった。

なぜあいつはあれが正しいと思っているのだろうか。

考えれば考えるほど苦しい。

なんでだよ。

母が帰ってきた。

母は私の部屋に来て言った。

どうしたの。

喧嘩の詳細を説明するととくに何も言わず出て行った。

兄にも特に何も言っていなかった。

兄は叱られるはずだ。

兄が正しいわけがない。

くそ。

母もそっち側か。

兄にはいつか復讐すると誓った。

こんなしょうもないことでも心に傷が深くついた。


2022年2月18日

兄は何の気なしに言った。

お前やっぱちっちゃいな。

私は背が低かった。

それがコンプレックスなのも知っていた。

正直あいつと話すだけでうんざりだった。

私は言った。

お前もだっただろ。

兄は言った。

俺はお前のころに150cmはあったわ。

うんざりだった。

無視した。


2022年3月15日

誕生日だ。

ケーキはおいしかった。

もうすぐ最高学年か。

早く中学生になりたい。


2022年4月8日

始業式。

ついに最高学年だ。

教室につき、先生は言った。

最高学年として責任感を持って行動するようにしましょう。

何言ってんだこの人たちは。

どうせお前らが指示するように行動させるだけだろ。

先生もあほだな。


2022年5月28日

今日嫌な夢を見た。

兄が追ってきたり、いたずらをしてきたりだ。

私は母に助けを求めていた。

母は声はかけてくれるが特に何もしない。

最終的にトイレを開けてくるいたずらをしてきた。

そしておこって開けるとそこには兄と母が楽しんでいる姿があった。

私がやっぱりお前もだったのかと叫んで終わった。

起きると号泣していた。

内容自体はしょうもないが母にも裏切られたということが嫌だったのだ。


2022年6月14日

叔母と二人で東京旅行へ行った。

家族がいなくて幸せだった。

おいしいものもたくさん食べた。

楽しいところもいっぱい行った。

すごく楽しかった。

岡山に帰る日の夕方、もう周りは真っ暗だった。

東京タワーにのぼり、景色を見た。

とてもきれいだった。

絶対忘れない景色だった。

これから家に帰るのか。

あいつらに会うのか。

あぁ一生この時間が続けばいいのに。


2022年6月15日

早く起きなさい。

もう7時よ。

そういわれて起きた。

またこんな生活か。

いっそのこと死んだほうが楽かな。


2022年8月20日

暑い。

夏は嫌いだから早く終わってほしかった。

宿題も終わる気がしなかった。

こんなものやって意味があるのか。

あぁ早く終わんないかな。


2022年9月12日

そろそろ受験が近づいてきた。

兄弟三人とも中学受験をする。

私の時は親も特に熱が入っていないように感じた。

兄の時はあんなにどなってまで受かってほしそうだったのに。

受験料の話ばかり。

そんなにあの兄が好きか。

悲しい。

私はあんなひどいことしてないのに。

問題も起こしてない。

おかしいだろ。

そのことを考えてるともっと兄に腹が立ってきた。

このごろずっとそんなのだな。


2022年10月27日

あぁ誰かにこの気持ちを相談できたらな。

でもいえるはずがない。

誰にもわかってもらうことなんてできない。

もうわかってる。

みんな俺を必要としてない。

特に何かあったわけでもないのにな

くそ。

死にたい。

どうすればいいのか。


2022年11月2日

兄と姉と喧嘩した。

2人で私を一気に責めた。

母は助けてくれなかった。

最近2人は喧嘩するとこう言うようになった。

死ね。

私も死にたい。

生きたくて生きてない。

早く殺してくれ。

その晩私はたまたまあったビニールの紐を使って自殺用の輪を作った。

いつでも死ねるように。


2022年11月30日

私は母に怒られた。

私は塾に通っていた。

その日は模試の結果が帰ってくるだった。

結果はC判定だった。

母は言った。

あともう一か月ちょっとしかないんだよ。

どうするつもりなの。

もっと必死に勉強しなさい。

静かに言っていた。

兄はE判定だったのに。

その時はもっと大きな声でこう言っていた。

あなたならいけるから頑張りなさい。

もうちょっとの辛抱よ。

おかしいだろ。

兄はそんなに良い存在か。

そしてその夜聞いてしまった。

母と父はこう話していた。

もうあの子うからないかも。

父も聞き流していた。

あぁやっぱりそんなもんか。

父もだった。

私はもう誰も信じれなくなった。

その日は涙も出なかった。

そのまますぐに寝れた。


2023年1月28日

合否通知が届いた。

結果は合格だった。

私は誇らしい気持ちになった。

母は明らかに反応が薄いように見えた。

私はいらない存在なんだなと感じだ。

せっかく多くの時間を勉強に費やしたのに。

無駄だったのかな。


2023年4月9日

ついに念願の入学式。

とても緊張した。

夢見ていた県立中学校の入学式だ。

楽しかった。

同じ小学校からは誰も来ておらず全く新しい人間関係を組める。

うれしかった。


2023年6月5日

学校に慣れてきた。

新しい人間関係は楽だ。

小学校の時よりも圧倒的に良い。

楽しい。


2023年7月17日

母と喧嘩した。

スマホを使いすぎだと。

はぁ昭和時代の人間にはわからないだろうな。

ほかに何すればいいんだよ。

私は黙って時をやり過ごした。

もういいって。

めんどくさい。


2023年9月24日

私は帰り道、友達と長く話していた。

学校が遠かったのもあり帰れば八時だった。

玄関でたたかれた。

母は言った。

遅い。

そしてまた一言。

補導されたら電話がかかってきて怒られるのは私なんだから。

そういわれた。

確かに遅かったか。

少し反省した。

でも怒りがわいてきた。

どこかで言っている。

自分は悪くないと。

自分は怒られるようなことをしてないと。

自分は最悪だな。

こんなのになってしまった。


2024年11月15日

私はスマホを見ていた。

母は言った。

早く風呂に入りなさい。

しかし気づけば寝落ちしていた。

母は強く言った。

早く入りなさい。

私は姉に対して言った。

お前が先に入れよ。

姉はスマホを見ながら言った。

お前寝るから早くは入れ。

そこでご飯を食べている兄が言った。

早く入れよ。

そうして少し時間がたつと兄がご飯を食べ終わって言った。

もう俺が先に入るわ。

母は大きくため息をついた。

それは私に先に入れということだった。

私はトイレに行った。

好きにできるところがここしかないからだ。

私は用を足すわけでもなく少し休憩した。

気づけば寝ていた。

起きると母に大きな声でこういわれた。

早く行きなさい。

トイレを出ると兄と姉が笑っていた。

どうやらトイレのドアを開けて私が寝ているのを確認してみんなに言ったらしい。

私は激怒した。

笑う兄に対して私は言った。

早く上がって勉強しとけよあほなら。

兄は成績が良くなかった。

兄は言った。

お前が寝てるのが悪いんだろ。

自業自得だろ。

私はそんなのお前は見みて笑ってる暇があるなら早く上がっとけよ。

兄は言った。

お前が早くいけばいいだけの話だろ。

そして兄は2階に上がった。

そして忘れ物を取りにきて言った。

早くいけよ。

私は限界だった。

3人でそれを笑って責めて。

許せなかった。

私一人をみんなで。

これまでもずっとそうだった。

この12年間。

お前らは楽しかっただろうにな。

本気で殺したい。

何をされたとかではなく3人で私1人をこうしてきたことに腹が立った。

そのせいで楽しさも減っていった。

たとえしょうもないことでも積み重ねだ。

お前らは覚えてないかもしれないが私は昔のことも、その時の気持ちも覚えてる。

なぁ高校生にもなってそんなのも気づかねぇのかよ。

ましてや母は50過ぎて。

その夜私は長く涙を流していた。

あいつらを殺したい。

死にたくはない。

ただ殺したい。

すると階段から足音が聞こえた。

私の部屋に誰かが入ってきた。

それは母親だった。

母親は私が泣いているのを見てさっきのは嘘かのように慰めた。

どうしたの。

さっきのが悲しかったの。

そう言った。

ちがう。

ちがう。

私は声も出したくなかった。

今日だけのことのはずがない。

毎回そうだ。

その日だけではない。

母は言った。

まず君が風呂に先に行くのが正しかったのはわかる?

確かにお兄ちゃんも言い過ぎだけど君も言い過ぎだよ。

どっちも悪い。

だからもう忘れよ。

そんなのできるはずがないだろ。

お前らは私にどんだけのことをしてきたと思ってるんだ。

1人を多数で責めて一方的に笑ってるのはどっちだ。

お前は自分のことも棚に上げて。

誰が正しいとかそんな話はしてない。

正直心底あの時の優しく慰めてくれる母を求めている自分がいた。

でも母はあの時みたいに優しくは慰めてくれない。

母も変わったんだ。

私は言った。

ちがう。

早く降りて。

母はリビングへ戻った。

ちがう。

ちがう。

ちがうだろ。

なぁ。

どうすればいいんだよ。

殺したい。

殺したい。

なぁ。

お前らは相変わらずあほで何もわかってないな。

人生楽しそうだな。

そんな人を傷つけるだけのしょうもない人生。

あぁ。

死にたい。

私は紐をカーテンのレールにかけた。

そして首を入れた。

涙が止まらなかった。

どうしてもこうしなければならなかったのか。

そう思った。

だが紐はちぎれた。

あぁ。

死ぬこともできないのか。

なんでだよ。

なんでだよ。

どうしてくれるんだよ。

もういいや。

私はそれからすぐ寝た。





もうめんどくさい。

もういいや。

ただ疲れた―――。

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