🧢 第18話(最終話)UFOを追え!〈後編〉〜僕らの冒険が終わった日〜

@takapapa0716

第18話最終回

【前書き】


UFOを追ってたどり着いたのは、知らない海の前だった。

少年たちの冒険は、まだ終わらない──そう思っていた。

でもそのあと、僕たちを待っていたのは“鍵の全滅事件”。

光を追いかけた代償は、ちょっと大きすぎた。



【本文】


海を見ながらUFOを見送った僕たち。

しばらく、誰も喋らなかった。風の音と、波の音だけが耳に残る。


──そのとき、ふと気づいた。


「……鍵が、ない」


ポケットをまさぐる。……ない。どこにもない。

慌てて仲間たちを見ると、みんな同じように顔を青くしていた。


「オレも……」

「ボクも……」


まさか、全員分──?

自転車の鍵を、僕たちはそろって失くしてしまっていた。


慌てて砂浜を探し回る。

でも、ここは広い海水浴場。どこを歩いたかも思い出せない。

しかも、砂の上に落とした鍵なんて──それはもう“永遠のさようなら”だ。


どうする……?

誰かの顔に、うっすら涙がにじみかけたその時。


「仕方がない。奥の手を使うか……」


マメがスッと立ち上がり、近くにいた親子連れに近づいていった。

そして、ほんの少し涙を浮かべながら、こう言った。


「あのね、あのね……僕たち、お母さんとはぐれちゃったの……」


身長が小さくて、小学2年くらいにしか見えないマメの演技は、見事だった。

女性がすぐに警察を呼び、お巡りさんがやってきた。


「ここで待ってような」

優しい声に、僕たちはただうなずいた。


しばらくして、交番に迎えに来た親たちは──予想通り、激怒。

あれほど怒鳴られたのは、後にも先にも、あの日だけかもしれない。


全員が、本気で「終わった……」と思った。


けど、僕は違った。


「あれ、なんだったんだろう?」

「宇宙人と仲良くなったら、何して遊ぼうか?」


怒られながらも、僕の頭の中はそんなことでいっぱいだった。


──そして。


あまりに大ごとになったせいで、僕たちは“活動禁止令”を出された。

もう、自由に遊びに出かけることは許されなくなった。


それはつまり、僕たちの“冒険時代”の終わりを意味していた。


けれど、ワクワクの心は……まだ、ちゃんと僕の中で生きていた。


またいつか、きっと“あの細胞”が騒ぎ出す。

そう思いながら、僕は空を見上げた。



【後書き】


UFOの追跡は、少年たちの“ワクワク時代”を締めくくる出来事になった。

でも、冒険の心はまだ終わっていない。


──そして次回、物語は“あの頃の続きを探す旅”へ。


🚪**《シリーズ第2章:僕たちの怪奇ファイル》**

中学生になった僕たちは、“本当にあった怖い話”に挑むことになります。


ワクワクとドキドキが交差する、新たな冒険が、いま始まる──。

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