第4話 村の“ヒミツ“その1

 お爺さんは“管理されし村“と断言した。


 管理されし村?いやいや、絶対ない。実際にあったとて、廃村みたいなところをわざわざ管理する必要があるのか?普通、過疎化が進んで経済的に危うい村は合併するか、完全に無くなるはず。それに管理するって、江戸時代じゃあるまいし。


 お爺さんは続けた。


 お爺さん「といってもこの村は人が管理しているわけじゃねぇぞ。」


 鮭「えっ、人が管理しているんじゃないんですか」


 先輩「えぇ、じゃあもしかしたら人じゃない奴が管理してるんすか!?」


 ユージン「確定演出来たァァァァァ!!」


 鮭「まだ待て、こう見えて人が管理してる可能性もあるぞ」


 お爺さん「信用できんでもえぇ。直接見てみんとわかんねぇからな」


 実際に人じゃない者が管理するというのは非現実じゃねぇのか?まさか動物が管理するってわけじゃねぇだろうな。てか意味わからんて。なんかふざけてそうだな···


 さすがにこれはおかしい。そもそもこういうとこに来る俺たちがおかしいのかもしれないけれども。


 それよりも、今日は遅くなりそうだ。彼女に連絡···ってネット繋がらなかった。やべぇ、帰るのが怖くなってきたわ。


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 先輩「いっただきまぁ~す!」


 ユージン「飯だぁぁ~!!」


 鮭「やかましい」


 結局今日は一晩泊まっていくことにした。お婆さんが俺たちに夕飯を作ってくれた。「ちゃんと食わんとあかんだがね、食うてけろや」と言ってた。


 この夕飯がとても美味しい。採れたての山菜の炊き込みご飯、味噌汁、そして何よりも、この焼き鮭がとても旨い!もう塩加減が良くて、ご飯が進む、進む!食べ終えた頃には二人も満足していた。


 先輩「かぁ~!うめかった!毎日カップ麺ばっかしやったからこりゃええわ!」


 ユージン「ふぅ~、お腹いっぱ~い」


 鮭「こんな美味しいご馳走をありがとうございます。なのでなにか礼をしたいのですが···」


 お婆さん「あ~全然いらん、あんたらが良かったなら別に礼はいらないよ。」 


 お婆さんはそう冷たいことを言っていたが、心なしか嬉そうに感じられた。


 俺たちはその後風呂に入り、布団の上でトランプなどをして、まるで修学旅行な感じで楽しんだ。そしてすっかり夜は更けて、そろそろ眠くなってきたわぁ···


 鮭「ふぅ~なんだかちょびっと懐かしいな」


 寝る準備も済ませ、そろそろ寝ることにした。


 先輩「おいおい、寝るなんて一言も言ってないぞ!俺たちの活動はこれからだろう!」


 え?


 先輩「オカルト部と言えば、心霊スポット巡りとかだろ!夜に忍びこんで映像とか撮るんだぞ!わかってるのか?」


 えぇ···俺は22時までには寝るって決めてるのに、こんな真夜中に出歩くなんて、正気の沙汰じゃねぇよ···行きたくねぇ、行きたくねぇ···


 先輩「よぉ~し!こうなったら、彼女にこの写真送ろうかな~」


 鮭「ゑゑ!?」


 それは女子の後輩と俺が映った写真。勝手に撮ってたのかよ!?まずい···彼女の手に渡ったら···ってネット環境がないんだった。あ~よかった。


 鮭「先輩、ネット環境ないんで無駄ですよ。」


 先輩「へァッ!?」


 先輩「そうやった!チクショ~!!」

 コ○メ小夫か。やかましい。


 絶対に俺は寝るからなぁ~!


 先輩「起きろぉ~!」


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 お爺さん「あぁ、もうすぐ始まるぞ」


 お婆さん「始まるな。また、消えるのかもしれんなぁ」


 そして、そろそろあいつには言っておかないとな。


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 朝DEATH。


 鮭「·······う、ん?んぁ~、起きたくねぇ···」


 こう見えて俺は、朝に弱いタイプだ。だから、早めに寝たかったのに。


 実は昨日外に出たんだけど、どうやらビビりすぎて気絶してたらしい。あぁ、まだ布団の中で過ごしたい···


 でも、どうせ先輩に叩き起こされるだろう。さっさと支度を済ませよう。


 ~10分後~


 支度を済ませて部屋を出る。ところが、先輩やユージンの姿はなかった。どの部屋を探してもいなかった。


 なので玄関を出る。


 そしたら先輩がいた。ユージンも。


 お爺さんも。お婆さんも。


 そしてそこには、


目 が 魚 の よ う に な っ て い て 、 口 を 尖 ら せ な が ら う ろ つ く 人 々 の 姿 だ っ た。




















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禁足地 七瀬不死 @wnMaZ5jL9Zc-RFc

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