ー幕間ー まわり始める歯車

 目の前で、紙が飛んだ。

 その様子に目を奪われた。

 飛行紙は緩やかに伸びやかに滑空し、地面に滑り降りた。


" 紙が、──飛んだ! "


 折り紙は、ただの紙を、空に飛ばした。

 気が付くと、私は走って飛行紙を拾い上げていた。

 それから急いで、でも丁寧に、飛行紙を開いた。

 上の辺の真ん中から、折り目が放射状に延びている。

 七本の直線が、左右対称になって伸びている。

 それは、美しかった。


──この数術を知りたい。

  折り紙を、知りたい。


 その想いが、言葉に変わる。

 少年の前に歩き、膝を折る。

 次の言葉は、自然に出てきた。


「なぁ、キセ。図書館テレリアに来ないか?」



□◆ ◇■ □◆ ◇■ □◆ ◇■ □◆ ◇■



 運命なんて言葉、私には無縁なものだと思っていた。

 でも間違いなく、私にとって、キセと折り紙は運命だった。


 キセは入館試験を合格し最年少で、図書館テレリアの館員になった。

 それと同時に、大きなうねりが、私たちを飲み込み始めていた。

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