おばけのけ

おばけの国のおばけたち。

彼らはみんな同じ顔。

だからカツラを使っておしゃれをしているよ。

リボン、みつあみ、短い髪、ライオン、うずまき

おしゃれな髪型がいっぱい！

でも、おばけたちは素敵なカツラを外すときがある。

そ・れ・は・

怪我をしたくないとき

むかしむかし、とあるカツラ屋さんが大事な会議の日に寝坊をした。

「大変だ！！」

慌てたカツラ屋さんは自分がつけるカツラを忘れて家をでてしまった。

「ちこくするー！」

街のおばけは、カツラをつけていないカツラ屋さんを見て、びっくり。

カツラ屋さんはなんとか、怪我もなく、会議に間に合った。

「仕事に取り組むときにはこの兜のカツラが似合います」

カツラ屋さんの発表は成功。でも、

「素敵な発表をありがとう。でも、今日はなんでカツラをかぶっていないのかい？」

えらいおばけがカツラ屋さんに聞いてきた。

その言葉に、カツラ屋さんはやっとカツラを被っていないことに気がついた。

その昔、外にでるときはカツラを付ける決まりだった。

カツラ屋さんはあることを思いついた。

「怪我をしたくないからカツラを外しきました！」

カツラ屋さんの言葉に、会議に出ていたおばけは目を丸くする。

ワッハッハッハ

「毛がないから怪我をしないって」

会議に出ていたおばけは大笑い。

これにはカツラ屋さんもびっくり。

それからというもの、怪我をしたくないときはカツラを外すことになったんだって。

ツルツルピカピカのおまじない。

毛がないから怪我をしない！

おばけはここぞという時に毛をつけないのさ。