閑話・【アンリアルウィッチ】のための髪飾り――⑤
「…………」
その日のクラリスさんは沈んでいた。
この様子も見たことがある。「まさかとは思うけど……まさかとは思うけど、勘違い…………?」という、あの状態だ。
今まで
ボクとモニカは顔を見合わせると、立ち上がった。
「クーロちゃん! 起きて!!」
「えっ、あっ、お、起きてるわよ……!」
「今日はクロちゃんにプレゼントしたいものがあるんだ。いつもお世話になってる、お礼!」
「プレゼント……? そ、そう?」
「ボクたちが作った、ちょっとした装飾品です。受け取ってくれますか?」
「え、ええ、――ありがとう、嬉しい……。――――開けてもいいかしら?」
ボクたちが頷くと、クラリスさんは丁寧な手つきで、小さな白色の箱を開けてくれた。
――ボクたちが
【竜の牙】を
宝石よりも美しいと世に
これが高炭素鋼だと一見で見抜ける人はまずいないだろう。
鍛冶職人が
クラリスさんは見開いた目でそれを手に取った。
「…………。――モニカ、この髪飾りを、私の髪に、飾ってくれる?」
「うんっ!」
そうして、これ以上ない真剣な表情で背後から髪飾りを飾り付けたモニカに礼を述べ、クラリスさんは姿見の前に立った。
「――――二人とも、ありがとう。【アンリアルウィッチ】に相応しい髪飾りだわ」
ボクたちは小さくも力強くグッと拳を握り締め、胸をくすぐるように湧き出した柔らかな笑みを、どうしようもなく止められずに浮かべていた。
――あとは、もうお二人次第のことだ。
ボクたちはただ祈り願うのみ。
存在の美しさを目に魅せる
どうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます