第2話「ダンジョン」
俺が中3の夏、蝉も暑さもジリジリしてたような普通のクソ暑い夏、目の前に突如謎の構造物が現れた。
世界中でその建造物は同時に発生し、その数は世界中に実に数十万に上った。
その構造物が出来る前にあったはずの建物は消滅し、中にいたはずの生物は構造物の入り口に弾き出されていたらしい。
というより俺の目の前にも何人もの人たちが倒れていた。
脈を確認した後、俺は好奇心からダンジョンに足を踏み入れた。
俺はその時興味本位で中に入ったが、入った直後警察や消防が到着し外に連れ出されてしまった。
その後、各国の軍やらが進軍していったらしいが銃などの武器は中にいた化け物にはほとんど効かず、早々に撤退した。
国連は謎の構造物をダンジョンと名付け、未知の化け物に対抗するためダンジョン特別対策機関を設立し、未知の化け物を「モンスター」と呼称した。
日本の自衛隊のある人物がふざけて口にしたことによってあることが発覚した。
ダンジョンに一度足を踏み入れた人物はステータスオープンと唱えることによって、自身のレベルやHPなどまるでゲームのような情報を自分にしか見えない謎のホログラムのようなプレートに表示できるようになるというものだった。
ダンジョンの中のモンスターにはダンジョンの中でとれたものが有効だと判明し、ダンジョン内のモンスターからドロップする魔石や身体の素材を集めるためにナニをとち狂ったか日本はある法をつくった。
ギルドという国公認の組織に所属すれば、入手した素材と魔石をギルドに提出するならば、その素材を買い取り、命の保証はしないが、ダンジョン内での自由な探索を許可するというイカレた法だ。
俺はニュースで見た時に確信した。
「確実に総理大臣はラノベを読み込んでいる。」
なぜ国会も内閣も止めなかったのだろうかとその時は思っていた。
その後1年ですべてのダンジョンの入り口の前にギルドの建物が設置された。異常すぎるスピードだった。
ギルドの運営とダンジョンの一般開放が始まって半年で1万人が死んだ。
しかし、魔石から得られるエネルギーは電力にも応用でき、モンスター以外の生物に損傷を与えないことも判明し、魔石を使った武器でモンスターを倒すことによって経験値のようなものを獲得し、それに伴ったレベルの上昇による体力および攻撃力の上昇、そして魔法の使用ができるようになることが分かると、企業などがこぞって魔法の研究に乗り出した。
その結果、魔力を使用した魔法はダンジョン内でしか使用できず、ダンジョン外では魔法が使用できないと判明した。
その後、ダンジョンからモンスターが這い出てくる可能性を示唆し、ダンジョン特別対策機関はすべての国家にギルドの設置を義務付けた。
こうしてギルドに所属して、ダンジョンを探索し、危険を冒しながらモンスターを屠り、得た経験値でさらにレベルを上げ魔石や素材を売り生計を立てていく者たちのことを冒険者と呼ぶようになった。
そして高1の冬、俺はダンジョンの前に立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます