廻る

 そう、すべては論理的に説明がつく。

 梓の消失も。日記の文字も。内見に来た青年の言葉も。


 ただ一つ、説明できないのは――


 なぜ、「部屋が人を思い出す」ように存在しているのか、ということ。


 203号室は、今も、誰かの記憶の中で生きている。


 そして、新しい記憶を、待っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

瑕疵、あり 寺崎 峻吾 @templer023

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る