恋人

@amane404

一話完結

「ここの料理美味しいわ、ありがとう連れてきてくれて」

「本当かい!よく調べて選んだ選んだかいがあったよ」

「ふふっ本当よ、本当に美味しいわ」


彼女の言葉を聞く時は細心の注意が必要だ

この前なんて


「こんな不味い料理初めて食べた」

「そんな...僕のいちばん得意な料理なのに」

「嘘よ、美味しいわ、今までの人生で1番」

「本当?」

「本当よ、嘘じゃない」


僕のいちばん得意な料理を1口食べた途端こんなことを言うなんて

でも本当のことで僕を酷くは絶対に言わない

僕のことを尊重してくれていることはなんでも真面目にとらえすぎる僕でもわかる

こうやって彼女は僕をいつもからかうのだ

でも、僕はいつも真剣に捉えてしまう

だって彼女をガッカリさせてしまう

それが一番悲しいことだ

海の底に落ちてしまうような

陸にいるのに呼吸ができなくなってくらい闇に沈んでしまうのだ


彼と一緒にいる時はとっても楽しい

この言葉は本当よ

少し前に彼の料理を食べた時にね


「こんな不味い料理初めて食べた」

「そんな...僕のいちばん得意な料理なのに」

「嘘よ、美味しいわ、今までの人生で1番」

「本当?」

「本当よ、嘘じゃない」


1口食べただけでこんなことを言ったのよ私

なのに彼は心底落ち込んだようになって、涙目にもなってたかしら

嘘よって伝えた時は光が射したように彼の顔がキラキラと輝いてそれがとても魅力的

だからいつもからかってしまうの

でもね、彼を傷つける本当の言葉は絶対に言わないようにしてるのよ

だって彼のことが大切だから

何よりも大切よ

神様にだって誓えるわ

私の宝箱箱の中で一番の宝石はあのキラキラと輝く彼の笑顔


「本当にここの料理美味しいわ」

「どうやって見つけたの?こんな高級なレストラン」

「君はイタリアンが好きだろう?ちゃんと下調べもして、いちばん君が喜んでくれると思ったここを選んだんだよ、気に入ってくれた?」

「気に入ったわ、でも私イタリアンはあんまり好きじゃないわ」

「嘘...ごめんよ、僕長く君といるけど全然君のことわかってなかったみたいだ」

「嘘よ、私がいちばん好きなのはあなたが作ってくれたパスタだもの、イタリアンももちろん好き」

「本当かい!」

「ところで、どうしてこんな高級なイタリアンに?誕生日でもないでしょう?」

「僕から君へ伝えたいことがあるんだ、とっても大切なこと」

「何かしら」

「僕と付き合ってください」


この時本当に心臓が爆発してしまうかと思った

僕が神様みたいな彼女に釣り合うのか

彼女が嫌と言ってしまうのではないか

初めて彼女を失望させてしまうのではないかと


「本当に私でいいの?あなたにはもっと素敵な人がいるでしょう?」


ああ、でも、僕はやっぱり君のそういうところが好きだ

僕の心を分かっていながらそうやって振り回して遊ぶ残虐性

そんな彼女に僕は心底惚れている

彼女は僕にとって神様みたいな人だ


「ああ、君だから好きなんだ」


ええ、私はあなたのそういうところが好きよ

私があなたで遊んでいるのを分かっていながらそこに真剣に向き合ってくれるその心

そんな彼に私は心底惹かれているの

私の一番の宝物よ


「付き合いましょう、これは本当よ、本当の私の言葉」


ほら、今も、そうやって太陽みたいに輝く笑顔、大好きよ

絶対に誰にも渡してあげない

神様にだって彼は渡してあげないわ


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