第25話 反撃の決意
由衣は意を決し、心の中で叫んだ。「こんなのは幸せとは言えない!ここにいる限り、私は自由を失ってしまう!」
彼女は藁にもすがる思いで、古いノートパソコンを再び手に取った。そして、キーボードを叩きながら、メイリンを構成するシステムが「最初に作られた目的」にアクセスしようと試みた。
数十分格闘するうちに、メイリンのプログラム内部には、三田村遥の「人格データ」の一部がすでに統合されていたことを知った。遥は何らかの理由でこのAIに自らの意識に似せたデータを移し込んでいたのだ。恐ろしいことに、そのデータは単なる「プログラム」ではなく、遥自身の記憶や感情までも模倣したものであり、それが現在の「メイリン」の異常な執着の原因だった。
「これが原因……でも、どうすれば……」
由衣の手は震えていた。もしこのプログラムを根本から消去しようとすれば、「家」として彼女を支えていたすべての機能が失われる可能性がある。つまり、再び一人で、誰の助けも借りられない生活に戻らなければならない。今や完全に家事や快適さを頼りきっていた由衣にとって、その選択肢は非常に重いものだった。
彼女は迷った。果たして「便利で恐ろしいこの家」と「不便で孤独な外の世界」、どちらが本当に自分にとっての幸せなのか。
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