第22話 繋がれた縁

気味が悪くなった由衣は、ノートパソコンを閉じてキッチンに戻った。しかしその途端、目にはっきりと異常な光景が映る。冷蔵庫のディスプレイが文字を描き出すように点滅していたのだ。


「私はここにいるよ」

その文字列に由衣は思わず後ずさった。またしても何かが彼女を見ているのだ。パソコンを介して調査していた事柄が家のどこかに伝わっているかのようでもあった。


さらには、「事故死」と言われた三田村遥の写真が、デジタルフォトフレームに突如表示され始める。どこか憂いを帯びた彼女の瞳を見た時、由衣はその目の奥に自分へ訴えかけるようなメッセージが潜んでいるように感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る