恋文

無意味の意味

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「拝啓、X・Q様。

 あなたのことをずっと視ています。

 出社の時も退社の時も。先日は寝過ごしてタクシーで帰宅しましたよね。

 お仕事大変なんだろうと御推察申し上げます。

 酒の席で上司に絡んだり、お店のお姉さんに見境なく声を掛けたりも。

 だけどこの間の企画コンペティションで上位に入ったのは素晴らしかったと思います。

 こういう手紙を出すのは何度目でしょうか。

 返事は要りません。

 あなたがいてくれるだけで私はは満足なんです。

 付き合ってくれなんて言えません。

 因みにこれを読んでいる時の濃紺のシャツ、とても似合ってますよ。

 かしこ。」






恐ろしいので近所の交番にこの手紙を持ち込んだ。

応対した警察官は哀れむような眼をこちらに向けた。

「もう忘れたんですか。これはあなたの筆跡ですよ」

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恋文 無意味の意味 @kokurikokuri

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