第9話 JAC
JAC——Job Assist Center。
ここは、都市の仕事を管理し、住民の適性を判断して職業を割り当てる施設である。
正面の入り口には、大きな扉があり、その脇には透明なパネルが浮かんでいる。
住民たちは順番にパネルへ身分証をかざし、施設へと入っていく。
俺たちもそれに倣い、扉の前へと進んだ。
「身分証をかざしてください」
機械的な音声と指示が表示される。
悠人がポケットから身分証を取り出し、パネルへと軽く触れると、一瞬、淡い光が広がり、情報がスキャンされた。
「確認完了。どうぞお入りください」
施設内は静かで規則的な動線が設計されており、住民たちは流れるように受付へと向かい、職業適性の確認を受けている。
俺たちは受付の女性に案内され、まずは悠人の適性を改めて確認することになった。
流れとしては、施設内に設置されたポッドのような装置に入ると全身がスキャンされ、事前に選ばれた仕事が最初に表示される。
その後、派生するいくつかの候補が表示され、その中からも再選択ができる仕組み……らしい。
悠人がポッドに入り、身分証をかざすと、彼の目の前にホログラムが浮かび上がる。
「適正職業……その他派生職業は……」
次々と候補が映し出される。
具体的な職業はプライバシーの為、身分証をかざした本人以外には見えない仕組みになっており、俺の位置からは何が表示されているのか分からない。
悠人はポットの中でじっくりと考えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます