その後
33.「リカルド様との旅路の記録」
こうして私が綴った物語は、世に数多ある「勇者リカルド」の伝記のひとつに過ぎません。
王都の図書館に行けば、彼の輝かしい功績を称えた記録はいくらでも目にすることができます。
魔王を討ち、世界を救った英雄。
現界と魔界を繋ぎ、平和を実現した英雄。
きっと、その名はすでに歴史に刻まれ、伝説として語られ続けてゆくでしょう。
けれど、ここに記したのは、どれも“私が見た”当時のリカルドの姿です。
仲間と笑い合い、ときに悩み、迷い、傷つきながら、それでも歩みを止めなかった背中。
世間が語る「絶対の英雄」とは違う、“ひとりの人”としての彼。
私が描く記録は、きっと珍しいものだと思います。
死霊術師という立場でありながら、彼と共に在り続けた者の目線。
長い旅路の果てに得た答えは、とてもシンプルでした。
仲間と共に歩んだ日々は、どんな宝よりも尊く、その中心には、いつもリカルド様の背中があった――。
著者 ナディア・エンブリオ(ベルモンド)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます