白猫

@kamaonly1

第1話 冬月

北國の冬、真っ白

村々は遠く離れ、白一点の平原にぽつぽつ散らばっていた                

土間で産む母と隣りの老女。

夫は、手紙の中にしか存在しなかった。

誰にも望まれず彼女は静かに落ちた。


代々黄土の虫だった、どこに出っても、終日蟻として食いつなぐだろう

雪に消える運命か?


膝まで積もった雪とメロンミルクの甘さ、、

そういう記憶はある朝で途切れていた。

母といくつもの線路を越えうちに、すっかり凍えてしまった。

ママ、どの列車に乗るのか?終点がどこなのか?死ってどういう意味か?

聞いたら雪原に捨てられそうに、無言のまま、息を殺していた。

まだ学校にも行ってない彼女には、身体は自分のものじゃないと感じられた、

大雪の朝、無理矢理にひきずられて村を離れた。




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