第34話 『遥の吐息、満たされる日常』
十一月上旬。秋の深まりと共に、木々の葉は色づき始め、朝晩の冷え込みが身に染みる季節になった。受験のプレッシャーは日増しに高まり、生徒たちの顔には疲労と焦燥の色が濃く出ていた。西山和樹も、自習室や予備校の往復で忙しい日々を送っていたが、彼の日常には、初体験を共有した女子たちとの「秘密の癒やし」が、不可欠なものとして組み込まれていた。それは、単なる性行為ではなく、彼女たちの身体と心を深く満たす、「深いリラクゼーション」として定着しつつあった。
その日の放課後、和樹が図書館で自習を終え、重い頭を抱えながら帰路につこうとすると、隣の席に小林遥が座っていた。彼女はテニス部を引退後も、時折運動不足解消のために体を動かしているようだったが、この時期は受験勉強が中心だ。普段の明るいセミロングの髪が、疲労で少し乱れている。
「和樹くん、お疲れさま。今、少しだけ時間いいかな?」
遥の声は、いつになく静かで、その瞳は和樹の心の奥底を探るようだった。和樹は彼女の意図をすぐに察した。遥は、梓に続いて和樹と初体験を交わしたばかりだ。彼女が求めているのは、身体の疲れだけでなく、心の安らぎだろう。
「ああ、もちろんいいよ。疲れてるみたいだな」
和樹が優しく声をかけると、遥は小さく息を吐いた。
「うん……もう、頭がパンクしそうで。勉強してても集中できないし、体が熱くて、寝付けないの。和樹くんのマッサージが、一番効くって、わかったから……」
遥はそう言って、和樹の手をそっと掴んだ。その指先から伝わる熱が、和樹の胸を高鳴らせる。彼女の瞳は潤んで、和樹の奥底を見つめていた。その視線は、和樹への深い信頼と、性的な期待が入り混じったものだった。
和樹は、遥を自分の自宅へと招いた。自宅に着くと、遥はすぐにシャワーを浴びてきた。浴室から出てきた遥は、和樹が用意したTシャツと短パンに着替えていた。彼女の髪は濡れていて、そこから甘いシャンプーの香りが漂ってくる。
「はぁ、すっきりしたー!じゃあ、和樹くん、お願いね!」
遥はリビングのソファに横になり、和樹を見上げた。その瞳には、日中の太陽のような輝きと、どこか誘惑的な光が宿っている。
和樹は、深呼吸をし、緊張した手つきで、まず遥の脚のマッサージから始めた。太ももからふくらはぎにかけて、和樹の指が優しく、しかし確実に筋肉の張りを捉えていく。彼女の脚は、鍛えられているだけあって弾力があり、和樹の掌に吸い付くような感触だ。
「んんっ……そこ、気持ちいい……」
遥の口から、甘い吐息が漏れた。和樹は、彼女の太ももの内側へと手を滑らせていく。ショートパンツの裾から、柔らかな肌が露わになっている。そして、鼠径部のリンパ節を丹念にマッサージし始めた。
「あっ……ひぅっ……和樹くん……そこは……!」
鼠径部に触れた途端、遥の身体が大きく跳ねた。彼女の口から、甘く、そして抑えきれないような喘ぎ声が漏れる。和樹の指先は、鼠径部の柔らかな皮膚の下にあるリンパ節を優しく刺激し、彼女の身体の奥深くに、波のような快感を引き起こしているのが分かった。遥の頬は真っ赤に染まり、瞳は潤んでいた。
「和樹くん……もっと……そこ……お願い……」
遥の声は、懇願するように和樹に迫った。
次に、和樹は遥の胸元へと手を伸ばした。
「遥、胸のあたりも少し張ってるかもしれないな」
和樹が乳房の基部からリンパの流れに沿って、優しく丁寧にメンテナンスマッサージを施した。遥はTシャツを脱ぎ、淡い水色のブラジャー姿で横たわっている。和樹はブラジャーのカップの上から、ゆっくりと円を描くように指を滑らせる。遥の身体は、和樹の指の動きに合わせて、微かに身悶え、深い息を漏らした。
「はぁ……和樹くん……そこ……すごく、気持ちいい……」
遥は、恍惚とした表情で、和樹の手をそっと掴んだ。彼女の指は、わずかに震えている。
マッサージが進むにつれて、遥は和樹の腕を掴み、その身体を和樹に預けるように身をよじった。
「ねえ、和樹くん……私、和樹くんとこうしてる時が、一番リラックスできるの……。受験のことも、テニスのことも、全部忘れられる……」
遥の声には、甘えと、和樹への深い信頼が混じり合っていた。彼女の身体が熱を帯び、和樹の指先に吸い付くように反応する。
「和樹くんしか、こんなに私を気持ちよくしてくれないんだもん……」
遥の声は、普段の快活さとはかけ離れた、甘く、そしてどこか切なげな響きを帯びていた。
「ねえ、和樹くん……梓とは、どんなことしてるの?」
不意に遥が尋ねた。その言葉に、和樹は心臓が止まるかと思った。彼女の瞳は潤んでいるが、その問いかけは和樹の心を深く抉った。和樹は何も答えることができなかった。遥は、和樹の沈黙に、すべてを悟ったようだった。
「そっか……。でもね、和樹くん……。私、梓とは違うから。和樹くんのこと、誰にも渡したくないって、思ってるから」
遥の言葉には、和樹への深い愛情と、他の女子たちとの関係に対する微かな牽制が混じり合っていた。和樹は、彼女の複雑な感情を受け止めながら、自分の身体が、彼女たちの心を深く繋ぎ止めていることを改めて自覚した。
マッサージが終わり、遥はゆっくりとTシャツを着直した。
「和樹くん、本当にありがとう。すごく楽になった。これで、また勉強も頑張れそう」
遥の笑顔は、来る前よりもずっと晴れやかで、その瞳は和樹に向けられた。その目には、感謝と、そして何か新しい感情が宿っているように見えた。
「どういたしまして。また辛くなったら、いつでも言ってくれ」
和樹は、遥との継続的な関係が、彼女にとってどれほど重要であるかを再認識した。同時に、彼女の独占欲めいた言葉が、和樹の胸に複雑な感情を残していった。
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