第14話 『梨花の密かな渇望、スポーツの裏側』
七月下旬。夏季強化補講は二週目に入り、生徒たちの疲労はピークに達していた。朝から晩まで机にかじりつく日々は、身体の凝りだけでなく、精神的な焦燥感も募らせる。西山和樹も、この時期は特に「マッサージ師」としての需要が高まり、放課後や補講の休憩時間には、女子たちから引っ張りだこだった。
その日、補講が終わり、自習室で参考書をまとめていると、高橋梨花が和樹の元へやってきた。彼女はバレー部引退後も、自主練習を欠かさないストイックな性格だが、その日の表情には、いつになく疲れが色濃く出ていた。ショートカットの髪が少し乱れ、運動着のTシャツは汗で湿っている。
「和樹くん……悪いんだけど、今、少し時間くれるかな?もう、身体がボロボロで……」
梨花の声は、疲労でかすれていた。和樹は彼女のただならぬ様子に、すぐに頷いた。
「もちろんだ。どこが特に辛い?」
「全身だけど……特に、肩と背中、あと……胸のあたりが、なんか張ってる気がして……」
梨花はそう言って、自分の胸元に手をやった。和樹は彼女の言葉に、一瞬戸惑った。以前、梓がバストの張りを訴えた際にメンテナンスマッサージを行った経験が頭をよぎったが、梨花から直接、しかもここまで具体的に言われるのは初めてだった。
「わかった。どこか、落ち着ける場所に行こう。俺の家でよかったら、もっとゆっくりできるけど?」
和樹が提案すると、梨花の瞳が、何かを決意したかのように、真っ直ぐに和樹を見つめ返した。
「……うん。和樹くんの家なら、安心できるから。お願い」
梨花の言葉には、これまで見せたことのない、密かな渇望が宿っているようだった。
和樹の自宅に着くと、梨花はすぐに風呂場へと向かい、シャワーを浴びてきた。浴室から出てきた梨花は、和樹が用意したTシャツと短パンに着替えていた。彼女の髪は濡れていて、そこから石鹸と梨花自身の体臭が混じり合った、清潔で生命力に満ちた香りが漂ってくる。
「すっきりした……和樹くん、ありがとう」
梨花はそう言って、リビングのソファに腰を下ろした。そして、おずおずと和樹に視線を向けた。
「あの……さっき言った、胸のことも……お願いしてもいい?」
梨花の頬が、ほんのり赤く染まっている。和樹は彼女の緊張を感じ取った。
「もちろんだ。でも、梨花が嫌なことはしない。もし途中で嫌になったら、すぐに言ってくれ」
和樹が優しく言うと、梨花は安心したように頷いた。
梨花はゆっくりとTシャツを脱ぎ始めた。するりと頭を抜けると、白いスポーツブラに包まれた彼女のバストが露わになった。梨花の身体は、鍛えられているだけあって引き締まっているが、バストはCカップとあって、スポーツブラの中でもしっかりと主張する丸みを帯びていた。和樹は、彼女の引き締まった腹部から、しなやかな腰のラインに視線を移した。白いショーツのラインが、梨花の健康的な臀部に吸い付くようにフィットしている。梨花の肌は、シャワーを浴びたばかりで、ほんのりと熱を帯びていた。
和樹は梨花の背後に回り込み、肩から背中、そして腰へと、全身を優しくマッサージし始めた。梨花の身体は、見た目以上に硬く、練習で酷使されているのが分かる。和樹は指の腹で深く圧をかけ、凝り固まった筋肉を丁寧にほぐしていった。
「んっ……そこ、効く……」
梨花の口から、甘い吐息が漏れる。和樹の指先が、梨花の鍛えられた背中の筋肉の感触と、スポーツブラの生地越しに伝わる体温を捉える。
「梨花は、バレーで本当に頑張ってるからな。肩甲骨のあたりもかなり張ってる」
和樹が声をかけると、梨花は頷いた。
「うん……最近、特にひどくて。受験のストレスもあるのかな……。でも、和樹くんのマッサージ、本当に効くから」
梨花の身体は、マッサージが進むにつれて、徐々に弛緩していった。緊張から解放された身体は、まるで溶けるように和樹の指に身を委ねる。
そして、和樹は梨花の胸元へと手を伸ばした。梨花は少しだけ身体を硬くしたが、和樹が優しく声をかけると、再び力を抜いた。
「梨花、少し張ってるって言ってたな。ここ、優しく触れていくぞ」
和樹は、乳房の基部からリンパの流れに沿って、優しく丁寧にメンテナンスマッサージを施した。スポーツブラのカップの上から、ゆっくりと円を描くように指を滑らせる。梨花の身体は、和樹の指の動きに合わせて、微かに身悶え、深い息を漏らした。
「はぁ……和樹くん……そこ……すごく、気持ちいい……」
梨花の頬は紅潮し、瞳は潤んでいた。彼女の身体が、快感によって震えるのが和樹の掌に伝わる。和樹は、スポーツブラの生地越しに、梨花のバストの柔らかな感触と、その下の温かい肌を感じ取った。それは、単なる身体のメンテナンスを超えた、直接的な快感の刺激だった。
和樹はさらに、梨花の脚の付け根へと手を滑らせた。
「足もむくんでるって言ってたから、鼠径部のリンパも流していくぞ」
和樹が鼠径部のリンパ節を優しく刺激するマッサージを始めると、梨花の身体は大きく跳ね、甘い喘ぎ声を上げた。
「あっ……ひぅっ……和樹くん……そこは……!」
梨花の言葉は、途切れ途切れで、理性を失いそうなくらい甘く響く。和樹の指先が、彼女の最も敏感な部分を探り当て、快感の波を次々と引き起こす。梨花の身体は、熱を帯びて、和樹の指に吸い付くように反応する。
「和樹くん……もっと……深く……お願い……」
梨花の声は、懇願するように和樹に迫った。アスリートとしての彼女からは想像できない、官能的な一面が露わになっていく。和樹は、梨花の肌から漂う、興奮した体臭が、部屋中に満ちているのを感じた。
マッサージを終え、梨花はぐったりとソファに横たわった。その表情には、極度のリラックスと、どこか満たされたような、恍惚とした色が宿っていた。
「和樹くん……本当にありがとう。こんなに楽になったの、初めて……」
梨花は潤んだ瞳で和樹を見上げ、その視線は、和樹への深い信頼と、性的な期待が入り混じったものだった。
「どういたしまして。少しは疲れが取れたか?」
「うん、すごく。これで、明日からも頑張れる。……ねえ、和樹くん……こんなこと、和樹くんしかしてくれないから……また、お願いしてもいいかな?今度は、もっと……」
梨花の最後の言葉は、和樹への独占的な願いと、より深い関係への誘いを含んでいた。和樹は、彼女たちの身体を癒やすという行為が、同時に彼自身をも深く内側から揺さぶっていることを自覚した。この夏、和樹と彼女たちの関係は、さらに深く、そして戻れない領域へと進んでいく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます