第10話
神様は清水との事を思い出していた
年甲斐もなく惚れてしまった
これも今日だけの事だ
またバスで会うこともあるだろうか
しつこく電話してもモテないに決まっている
だがまた偶数会うのである
しかも今度は清水はあろうことか
相正悟と一緒にいた
神様はショックを受けた
神様は話しかける事が出来なかった
二人は仲良さそうだった
正悟のやつめ
許さん
神様はバスを降りた
神様はすぐに信者たちと連絡をとった
「横浜駅で待ち伏せろ」
と信者に命じた
正悟と清水は横浜駅でバスを降りた
階段で地下街に降りて別れようとした
と 周りを囲まれた
相正悟は周りを威嚇した
「動かないで下さい」と清水にいい
「なんだお前ら」
「声出すぞ」
と正悟
周りの男たちはみな若かった
意外にも正悟に隙がないことに驚いた
背中に清水がいるためだ
「女を先にとらえろ」
清水は必死に抵抗したが
男たちに引きずり倒された
正悟がパンチで一人か二人倒したが
正悟も押さえつけられた
二人に注射がうたれ
二人は意識を失なった
神様は小屋のなかにいた
小屋には七人か八人くらい信者がおり
真ん中に清水と正悟が縄で縛られていた
「起きろ」
男が二人をビンタした
「清水さんにはビンタするな」
と神様
「ハイッ」
信者は慌てた
二人は目を覚ました
「相正悟 お前は今日こそ終わりだ」
「何だよ神様か」
と正悟
「おい 正悟 そんな口の聞き方をするな」
と神様
「知ってるの」
と清水が驚いた
「すまんな清水さん」
と神様
「放しなさい」
と清水
「清水さん わしを神様を好きだと言ってくれ」
「はあ ふざけないで」
と清水
「こいつがどうなってもいいのか」
と神様は正悟の腹を殴った
「うっ」と正悟が声を出す
「警察に全部言うから」
と清水
「わしの力を知らんのか」
「とりあえず正悟は死ぬかもしれんぞ」
「勘弁してくれ神様」
と正悟
「本当にこれは犯罪だ」
と正悟は言った
「わしは年なんじゃ」
「つまり死は恐くない」
と神様
「死ぬ前に人殺しか 極悪人だな」
と正悟
「今回はお前の口には騙されんよ 口に何か詰めてやれ」
信者が正悟の口にタオルを詰めた
清水は涙目になった
「清水さん あんたはうちの教団に入れてやる」
二人を信者達が持ち上げ
運んだ
相正悟は闇のなかにいた
縛られ 口には何か詰められている
こんな死にかたをするとは
でもやれることはやった
ジタバタしても仕方がない
落ち着いて死のう
いい人生だった
清水さんは教団で生きていける
お金は少し余ったか
まあいい
気にしない
眠ろう
鬼ヶ島での事である
小林は驚いた
こんな地下通路があるとは
「この教団はどうなっているんだ」
と小林は言った
「ここではいろんな事があって 例えば犯罪」
と奈々が言った
小林は驚いた
彼でさえこれ程の事は恐かった
日本を敵に回している
毎日人が島に運び込まれていた
みな拘束されたりするらしい
「奈々さん 俺達何とかしないと」
「そうだね」
「相正悟を助けましょう」
「おい起きろ」
相正悟はゆっくりと目を開けた
まぶしい
ここはどこだ
「あんたは今自由だ」
「神様をやっつけてくれ」
正悟は我に帰った
神様 清水さん
男一人と奈々がいた
「どうなってるの」
と正悟は聞いた
相正悟と小林、奈々は鬼ヶ島の一軒の家にいた
小林と奈々の家だと言う
小林が正悟をここまで運んでくれたのだと言う
三人は地下通路をとおってここまで来たのである
小林と奈々の話では
島のどこかに神様がいるらしかった
おそらく清水もそこにいるのであろう
小林と奈々は今では相正悟の味方につきたいと思っていた
小林と奈々は今では神様を信じていなかった
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