第8話


小林は魔王と言われていた




子供の頃は動物を傷つけたりしていた




体は大きく 筋力があり 他人をよくいじめていた




大きくなってからもよくケンカ等をして 




すぐキレることで恐れられていた




彼は学生時代 数々の不良伝説を残していた




女性に持てたことはなかったが金がある時に風俗にいったりしていた




現在27才だが両親に養ってもらっていた刑務所にはいったことはなかったが 際どい前歴があった




働いたことのある場所は全て工場や飲食であった




彼の両親は生活保護で暮らしていた




彼は自立したかったが金がなかった




彼は今でもキックボクシングをやっていた




彼は神様の宗教の信者であった




そこでは仲間が出来た




皆 不良仲間で夜中に車で色々な所を回っていた




小林には好きな人がいた




奈々だった




小林からみた奈々は大人の美しい女性だった




だが奈々は神様の実の娘であり




彼にはとても手が届かなかった




しかし世の中何が起こるかわからない




偶然にも話をする機会が訪れた








その日小林は地下格闘技のリングに上がっていた




そこに奈々はいた




相正悟の影響で格闘技のファンになっていたのである




小林は調子に乗っていた




試合に勝ったためである




リングを降りた そこでなんと奈々と目があったのである




小林は「今晩デートして下さい」と言った




奈々はビックリしたが




「はい」




と言ってしまった




小林はシャワーを浴びると奈々を探した




そして




「待っててくれたんですね、以前から好きでした」




と言って




奈々をファミレスまで連れていった




小林は自分のことばかり話した




彼は奈々の細かな気持ちには気づけなかった




が本気であった




奈々にもそれが伝わった




小林はシャイだった




その日は握手だけして別れた




奈々の方は小林に対して未熟さを感じていた




が付き合ってみようと思った








小林は不良仲間に対して




「俺 彼女出来たんだ こんど紹介するよ」




と言って回った




一方奈々の方は友達には言わないでおいた




付き合いが長続きする自信がなかった




その代わり




身を守るために神様に一言伝えておいた




神様は信者を使って娘を見守ることとした




相正悟に娘を取られる位なら小林とうまくいった方がいいと思った








ある晩 奈々が小林と別れたあとの事である




夜道で三人の若い男に囲まれた




奈々はどうしたらよいのか分からなかった




神様の信者はそれを予期していて知らせに走った




信者は誰に伝えるか迷った




他の信者では時間がない




となると一か八か小林である




小林が夜道を歩いていると後ろから誰かが走ってきた




振り向くと若い男がいた




「奈々さんが危ないです」




小林は走った








奈々の方では三人の男が奈々に迫っていた




男たちは奈々を押し倒した




奈々は怖がって抵抗出来なかった




「まてえー」と声がした




「おめえら何やってんだ」




と言いながら




小林は三人に襲いかかった




乱闘になる




四人はしばらく乱闘した








ケンカが終わり




ケガをした小林と奈々だけが残った




「ゴメン俺のせいで」




「ケガ大丈夫」




と奈々




こうして二人は仲良くなった








小林は神様に紹介された




神様は




「小林 お前は娘を守れ」




と言った




「くれぐれも相正悟などに渡すな」




「はい神様」




と魔王は言った

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