第7話 覚醒、鍵と選定者の真実

 


学院の深部。

激闘の余韻が漂う中、叶翔とセレスは共に倒れ込んでいた。


 



「翔……大丈夫?」


セレスが弱々しく問いかける。

叶翔は微笑み、ゆっくりと起き上がる。


「まだ、やれる。まだ、選ばれた未来を守りたい」


 



セレスは自らの胸元から古びた魔導石を取り出した。

それはヴァルグレイス家の秘宝――“選定の鍵”。


「これが、私たちの真の力よ」


 



二人が魔導石に手をかざすと、眩い光が二人を包み込み、彼らの紋章が輝きを増していく。


その瞬間、叶翔の中に眠っていたもう一つの力が目覚めた。


 



「これは……“全知全能の一歩手前”か?」


彼の視界は広がり、世界の因果が視えるようになった。


 



だが、同時にセレスの中にも変化が訪れていた。

彼女の“鍵”の力が進化し、選定者と鍵の契約がより強固になる。


 



二人はお互いの手を強く握り合い、新たな決意を胸に刻んだ。


「未来を選び、守るために。全ての真実を知るために」


 



しかし、その光景を遠くの闇から見つめる者がいた。

紅蓮――彼の瞳は不気味に輝き、次なる策を練っている。


「これで終わりじゃない。真の戦いはこれからだ」

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