第5話 鍵の秘密、封印の扉

 


学院の夜。月明かりが魔導石の壁を淡く照らす中、叶翔とセレスは学院の地下深くへと向かっていた。


「ここが……ヴァルグレイス家の封印の間」


セレスの声は少し震えている。

彼女の家系に代々伝わる秘密の場所だ。


 



「鍵の力の正体はここにある。

私たちの先祖、絶対神レティア=ヴァルグレイスは、世界の秩序を変えるための“扉”を封じた。

でもその扉を開く“鍵”は、私たち家族に宿っている」


叶翔は頷きながら、扉の前に立つ。


「俺が選定者としての力を使う時、その扉は開くのか?」


セレスは頷いた。


「ただし、開くには条件がある。

鍵を持つ者と選定者の意思が一つにならなければならない」


 



二人は深く息を吸い込み、同時に扉の紋章に手をかざした。


まるで応えるように、扉はゆっくりと開き、内側から強烈な光が漏れ出す。


その光は、二人の紋章を共鳴させ、強烈なエネルギーを生み出す。


 



中にあったのは、膨大な魔導書と、レティアの意志を記した聖典。


そこには、選定者と鍵の力の起源、そして未来を選ぶ者に課せられた責任が記されていた。


 



しかし、二人が調査を続ける中、異変が起こる。


学院の魔導防衛装置が異常を感知し、警報が鳴り響く。


「紅蓮が襲撃を仕掛けてきた!」


 



外では黒衣の紅蓮が、学院の防壁を破壊し、選定者の力を奪おうと迫っていた。


叶翔は決意を固め、セレスと共に、激しい戦いに身を投じる。

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