白猫の歌(回顧録)

宵埜白猫

白猫の歌(回顧録)

夜が更けて

白い毛並みが

踊りだす

月光浴びて

独りとてとて


月灯り

仄かに見える

水溜り

近づきゃ映る

光なき顔


音響く

ジャズにロックに

クラシック

楽しげな街

万里背の果て


宵闇が

小さな身体

飲み込んで

心までをも

落とす孤独に


疲れ果て

歩くの止めた

白猫に

気分屋犬の

声が届いた


添い歩く

夜はいつまで

明けずとも

互いの足が

幾度止まるも


藤の花

風にたゆたい

猫の鼻先

色見えずとも

咲う犬猫


じゃれ合いて

踊れや歌えや

猫と犬

足跡楽しげ

夜明けすぐそこ


いつの間に

猫の耳元

藤飾り

愛おしそうに

触れる肉球


日が昇り

温もりまとい

振り返る

孤独な猫は

いつのことやら

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白猫の歌(回顧録) 宵埜白猫 @shironeko98

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