『金欠病科』

やましん(テンパー)

『金欠病科』


 病気に病院はつきものである。


 欧州では、中世から近代入口までは、しばしば、修道院が病院の役割を果たしていた。


 しかし、現代は、同じ『院』がつくが、病院こそが病気治療の本山である。


 極めて、科学的なのだ。


 だから、『金欠病』にも、当然ながら専門科がある。


 『金欠病科』である。


         💴


医師


 『やましんさん。あなたは、かなり重傷の金欠病と思われます。深刻な状態です。はやく、治療しましょう。』



やましん


 『はあ。どのような、治療が可能でしょうか?』



医師


 『対処方法は、みっつあります。ひとつは、手術です。金欠病の病巣は、脳にありますから、そこを取り除きます。完治が期待できますが、もちろん、危険性はあります。ふたつめは、薬物治療です。ノンマニーニシリン、という新薬です。病巣を不活性にしますが、個人差がありまして、薬物治療すると、手術ができません。みっつめは、放置する。つまり、なにもしない治療です。ひとりでに治る可能性にかけるのです。』



やましん


 『手術費用はどのくらいですか? 新薬は?』



医師


 『やってみないとわからない部分はありますが、だいたい、200万ドリムくらいでしょう。保険が効くかどうかは、各人で確認する必要があります。新薬はまだやや高いです。100万ドリムくらいかと。』



やましん


 『手術はむりです。お薬も高すぎます。』



医師


 『では、放置するのですか? 危険ですよ。』



やましん


 『致し方なし。今回の診察料も、はらえるかどうか?』



医師


 『まあ、今日は、大したことないでしょう。では、がんばって、努力しましょう。次回予約しますか?』



やましん


 『むりですね。でも、お金ができたら、また、電話いたします。』



医師


 『わかりました。』





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           🙇



















 



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