『坂を登るおっさん』について

 インターネット百科辞典より抜粋



『坂を登るおっさん』さかをのぼるおっさん


【概要】

『坂を登るおっさん』は小説投稿サイト【小説書いちゃえば】に20xx年4月〜20xx年9月まで投稿されたweb小説である。著者は温州トド助。書籍化、コミカライズはされていない無名の小説だが、後述する『ミツカレ騒動』という事件によって有名になった為、記事とする。



【物語】

 ある冬の日、アイドルを夢見る女子高生の美織と、彼女と家族が住むマンションの管理人の隆晴の身体が入れ替わる。

 見た目が美織になった隆晴は、協力者の手助けを受けてアイドルグループの最終オーディションに挑む事になる。



【登場人物】

 滝沢美織……アイドルを夢見る女子高生。オーディションの最終審査を前に隆晴と中身が入れ替わる。隆晴と入れ替わったあとの美織は、マンションの管理人として住民の生活に触れ成長していく。


 蔵元隆晴……元作家。45歳。とある事件で筆を折り、今は親の遺産の賃貸マンションの管理人をして生活している。美織と入れ替わったあとの隆晴は、「中身がおっさん」のアイドルとして躍進していく。



   〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜〜〜〜



【ミツカレ騒動】

 ミツカレ事件という人もいる。

 20xx年6月18日にネピア書籍から出版された『ミツカレおっさん奮闘記〜そのアイドル中身はおっさんです〜』結城明穂(ミツカレティンクルスターズ)著が、発売直後に『坂を〜』のパクリなのではと騒がれた。

 その後、両作の類似点が掲示板やSNSに列挙されたため、著者は盗用を認め出版社は出版を一時取りやめる。(結城明穂は芸能活動を2ヶ月間自粛した)



【両作の類似点】

・オーディションで自分の中身がおっさんである事を正直に告白する場面。審査員は冗談だと受けとる。

・美織の特技披露(平成初期の歌手名をあげてもらい、その歌手の歌をすぐに歌う)

・アーティスト名が【BAAD】か【Bird】のどちらか分からずに美織が審査員に聞き返す場面。

・グループのプロデューサーが、おっさんと過去に確執があった事象。

・憧れの先輩の卒業コンサートにおっさん(中身は女子)を招待し、プロデューサーと顔を合わせる場面。

・お笑い芸人のラジオで「滝沢美織の中身は本当におっさんなのではないか」と論争になる場面。

・ラストシーンで記者会見を開く展開。

・登場人物紹介ページの謎のアルファベット。(後に温州トド助氏の独自のカテゴライズである事が判明した)



【その後】

 同年9月『坂を登るおっさん』の作者、温州トド助は、原案として自らの名前を載せる事を条件に『ミツカレ〜』の出版の再開を許可する声明を出した。

 作者曰く「ライブの場面の迫力や、実在するメンバーの関係性など、自作『坂を〜』にはない面白さを無くしてしまうのは惜しい」と述べて、同時に自らもミツカラー(MTSのファン)であるとカミングアウトした。



【作者の正体】

 出版は再開され、騒動は鎮静化されたと思われたが、インターネット上で「温州トド助とは何者か?」が盛り上がりはじめる。それだけ『坂を〜』がしっかりとした構成の物語だったといえる。



〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜



 現在もはっきりとした答えは出ていないが、最有力候補とされているのは、ハードボイルド作家の藤堂俊介氏である。


 主な理由としては、文章の細かい癖(【ちょっと】を【一寸】と表記したり【二日酔い】を【宿酔い】と表記するなど)に共通点が多いこと。

 また【とうどうしゅんすけ】と【うんしゅうとどすけ】がアナグラムである事も有力な理由とされている。


 藤堂氏はこの件について何も答えていない。 

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