第6話. 小山田の死体

翌朝、鈴子がゴミ捨てに外へ出て見ると、近所が騒がしくなっていた。

鈴子は声のする方へ歩いて行くと、集積所から歩いて3分程の小さな公園の砂場に、遠巻きに人垣が出来ている。

現場では警察官が黄色のテープで囲い、刑事だろうか、死体を検分している。その時、刑事が顔に掛けられていたシートを剥がした。顔が現れ首に赤いスカーフを巻いている。

鈴子は咄嗟に口を押さえた。

会う約束の電話の相手が、目印にと首に赤いスカーフを巻いて来るといっていたからだ。

鈴子は人垣を押し避けテープの先頭へ行き、恐る恐る顔を見て見た。


鈴子はまたもや声が出そうになった。


‘’殺されていたのは小山田みさこ’’だった。


みさこの身体には全身に砂が掛けられていた。殺した犯人の仕業の様だった。


その日の夕方、刑事が尋ねてきた。近所の聞きこみ捜査という事だ。


刑事はおもむろに背広のポケットから警察手帳を取り出して見せた。


「ちょっと伺いたい事がありましてね、奥さん昼間殺しのあった公園にいらっしゃいましたよね?」


鈴子は、自分が殺したのではないのに、刑事にそう言われると、同様が隠せなかった。


「えっ、はっ、はい、居りましたけど?ゴミを捨てに行った時、騒がしかったので見に行ってましたけど、それがなにか?」


「いやね、奥さん、奥さんあの時、死体の顔を見て随分驚かれていたでしょ?」


鈴子は、いつのまに見られていたのだと内心驚いた。


「はい、近所の方でしたから・・・」


「ふーん、しかし奥さん、近所の方はあの中にも沢山居りましたよね、しかし他の方たちも驚きはしていたが、ほとんどが野次馬の見物状態でした。その中でも奥さんの驚き方はちょっと違ってましたねぇ、

・・・・何かぁ、ご存知なんじゃないですか?」


刑事は、鈴子の顔を覗きこむように、語り掛けてきた。

何だか自分が犯人でもないのに、犯人かのような思いに錯覚してしまう。

鈴子は、子猫の事で呼び出されていた事を話すことにためらいがあった。

啓次郎から言われていた、誰にも話さない方がいいと言われていたからだ。


刑事をリビングに通すと、ソファーに掛けるよう手招きしてから、麦茶を出した。


刑事は黒岩と名乗った。

この辺りは黒岩の所轄だったため動いていたのだ。


先日の殺しの件、若い娘が殺された。


黒岩が背広の内ポケットから写真を出した。

数枚の写真がテーブルに並べられた。

その中に見覚えのある女がいた。

鈴子が毎週火曜日に通っているスポーツクラブで時々見かける女だった。

スポーツクラブで時々顔を合わせるうち親しくなり、時々会話するをするようになっていた。


「服部みさこという28歳の独身無職の女だ。」


刑事がぼそっとつぶやくように言った。

「そして公園で殺された小山田恵子、2人は近くの蔦の絡まる家の住人だ。」


それを聞いた鈴子は不思議に思った。

確か小山田みさこは一人の名前だと思っていたから、

しかも、2人が同居人でいたとは思いもしなかった。

小山田恵子と服部みさこの名前を合わさった名前が小山田みさこだったとは。






小山田は助手、首謀者はみさこ、助手の小山田が人殺し、みさこは大学時代東北の大学にいた頃、生物学科で遺伝子について研究していたそのうち動物の機能を人間に組み込めるのではと考え初め、いつしか現実のものとするため人体を使って研究するようになった。


究施設のある、猫島、要塞、啓次郎は要塞へ渡り真相を調べる。

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手招き猫の開かずの書斎 村雨与一 @yumeji4719

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