一匹狼と魔法少女

@yuhiyu0107

第1話

閑静な住宅街。

この街には不思議な噂がある。

「この街には魔法少女とその騎士がいて夜な夜な怪物と戦ってる」という物だ。

この話はその魔法少女と共に戦っている騎士と呼ばれている男の話である。


_______________

『グゥォオオォォォオ!!!!』


静寂を引き裂くが如き咆哮が響き渡る。

その声を聞き彼女は動き出す。

「よし!行こうか!」

彼女の名前は乙霧四葉(おとぎりよつば)

この街噂の魔法少女である。


「よっ、ほっ!」

軽々と屋根を飛び乗りつつ目的の所へ向かう

「見つけた!」

視界の先には黒色の狼のような獣が数十匹いる。


「変身!」

彼女の服が一瞬のうちに白と緑をメインとした可愛らしいドレスのような物に変わっていく。

「さーて、この街に被害が出ないうちにパッパと倒しちゃおうかな!」

彼女の手に先端に四葉のクローバーを形どった杖が握られる。

そして杖を振ると彼女の周りに魔法陣のような物が数個浮かび

「最初から全開で行くよ!おりゃー!!」


魔法陣から無数の青い光弾放たれが獣の群れに向かい降り注ぎその体を貫いて行く。


『クォ!』『ガァ!』

急な敵襲により仲間を失った獣達だかすぐさま敵を噛みちぎると残った者が向かってくる、そこに。

「ふっ!」

もう1人の影が現れ獣を切り裂いていく。

「ナイスタイミング!」

「相変わらず元気だね、こんな夜中なのに」

「まぁね、人知れずとはいえみんなの役に立てているのが嬉しいんだ!」

「そりゃいい心構えだ、その調子で残りを片付けよう」


そう言い終わると男は直剣を構え獣に向かいそして切り裂く、四葉は光弾を放ち獣を全滅させる。

「ふぅ、これで終わりかな?思ったより少なかったね?」

「もう一つ見かけたの方は倒してきた。今日の獣狩りは終わりだ。」

魔法少女と共に戦ったこの大剣を背負っている男が噂の騎士である

『日向冷』(ひなた れい)


「冷さんが倒してくれてるとはいえ数が少ないからちょっとパトロールしようかな?」

「いやお前さんには学校っていう大事なもんが明日あるだろう。俺がパトロールするから早く家帰って寝な。」

「うーんでも冷さんが強いとは言っても1人じゃ心配だなぁ…」

「俺はそう簡単にやられるほど弱くはないし比較的自由に行動できる。獣狩りの先輩に任せてくれ。」

じゃあ甘えさせてもらおうかなっと彼女が言うとまたねー!と手を振りながら屋根を飛び去っていく。


「さて…」


死んだ獣達はいつのまにか黒い泥になり程なくして消えていくだろう

しかしその黒い泥から何が出てくるようだ


「もう一仕事するか」


騎士の夜が明けるのはまだかかりそうだ



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