二回目

「…てください…きてください…!」


…おかしいな、死んだはずなのに声が聞こえる


「起きてください!!」


…おそらく地獄という場所についたらしい。本当にあったとは…しかもあいつの声が聞こえるってことはあいつらも…いや、もしかしたら数人上のほうに行ったかもしれないな。それよりもとりあえず起きなければ何も始まらないしまだ起きてないフリしよっと


「もー…起きてくだ…さい!!」

「ブギャフ!」

急に腹のほうを圧迫されとっさ的に変な声が出てしまった


「あーもうほら起きてると思いましたよ…」

「フハハハ!いつも通りだろ!勇者サマは!」

「このパンおいしいですね~」

「でしょ~?前に魔物から助けたおじいさんがパン屋をやっていてお礼にって沢山くれたんだよ~」


…にぎやかだな、そう思った。あの時、死んだはずの仲間たちが、今ここにいて、にぎやかに生きている。そう思うと少し、いや、結構涙が出てきそうだ。地獄もそう考えるといいところだな


「あれ?ミレガヨさんなんで泣いてるんですか…?悪い夢でも見ました…?」

「あ?ホントじゃん。なんで泣いてんの勇者サマ」

「大丈夫ですか?頭ポンポンしてあげましょうか?」

「ほんとに大丈夫?パン食うか?」


…優しいよな、負けたのは悔しいけど俺はこいつらと一緒に最後まで戦えて嬉しいよ

「ああ、大丈夫、なんでも…」


…待て、なんだこの既視感は…?なぜかこのやり取りを前にしたことがあるような


だとしたら…おそらく、次、あいつが喋る、そして言うセリフは…


「「本当に大丈夫か?無理なら休んでてもいいんだぞ?」」

「!?ミレガヨがユマの言葉と合わせた!?」

「え、すごーい!なんですか?新しいスキルでも手に入れたんですか?」

「読心術…ってとこ?すごいじゃん、これで魔物の心を読めば最強ですね」


…合っている…つまり、俺の記憶が正しければ今は…魔王決戦の一週間前…


「いや…偶々だよ、なんかそんなことを言う気がしてさ」

「えぇ…にしても怖い…」

「フハハハ!まぁ、こんだけ長い間一緒にいれば話すパターンもなんとなくわかるな」

「ですね…でも、この長い旅が一週間後に終わってしまうのは少し名残惜しいです…」

「だね~」


現時点での状況は分かった。そして、やらなきゃいけないことも今、決めた。


「なぁ、みんな」

「どうした?」


「一週間後の戦い…絶対に、絶対に!勝とう!!」


「…おう!!!」


そう、これはきっと神様が与えてくれた再チャレンジの機会。なら、俺がやることは

絶対に誰も死なさずに魔王を打ち倒す

そのためには、そのために必要なのは…


・強力な助っ人


・個人個人のスキルアップ


・仲間とのもっと緻密な交流


・魔王の配下との秘密裏な交渉


・自分自身の圧倒的強化


おそらくこの五つだろう、今思いつくのはそれぐらいだ。この機会が何度あるかわからない以上、いや、これ以上仲間が散っていくのを見ないためには


・個人個人のスキルアップ


が必要不可欠だ!そうと決まればこの魔王戦までの一週間、全力で各々を鍛え上げる!


「みんな、魔王戦、勝つために必要なのはおそらく…」









「’’各々の強さ,,だ」



_____________________________________


はい、第二話です。

今回は分岐型にしてみました。ミレガヨが言う通り今思いついたのがこの五つだったのでとりあえずこの五つを書こうかなぁと思います。まぁ、どれかが成功するかもしれないけど…成功=お話完結なんで…

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繰り返されるラスボス戦 みたらし団子 @kamisiro_ap

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