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みんなで楽屋に集まるとまた興奮が蘇ってきて、ガヤガヤがなかなかおさまらなかった。
そして心地よい疲労感と脱力感。
さあ、みおさんの会場に行きましょう。と奥さんが号令をかけて、離れたくなかったけど楽屋を後にした。
あさきちゃんも一緒に移動する。
もうあたりは暗くなっていて、野外のステージはライトで輝いている。
今日のメインイベントは、みおさんのクインテットだ。
フロントには若いトランペットとアルトサックスのふたり。
もししおみさんが日本に居たら、アルトサックスはしおみさんだったかもしれない。
無意識にサブロー君を見た。
そんな私の思いも知らず、サブロー君は、さきおと楽しげに話している。
不思議な関係ね。
サブロー君は、愚痴をこぼさない。
きっと寂しいはずなのに、じっと我慢しているのかもしれない。
しおみさんの夢を叶えるために。
しおみさんの夢ってなんだろう。
アメリカで成功すること?
それともアメリカで音楽活動をすること自体?
であれば、夢はもう叶っているのか。
サブロー君にはさきおが居るから心の支えになっているのかしら。
さきおはどんな気持ちでいるんだろう。
そこだけは何でも話せるさきおなのにさきおとの間のタブーになっている。
だから不思議なのよね。
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