言葉の一つ一つから滲み出る「不穏さ」が印象的でした。
一人の女子生徒の机の中から見つかった、という形式の言葉たち。
「リストバンドは外せないまま」、「青春の懲役」、「カーテンに包まれたまま過ぎるランチタイム」など。
明らかに、学校の中で酷い圧迫感や閉塞感に苛まれていると思われる彼女。
そして「4階の位置エネルギー解き放つ」という何か強烈な連想をさせてくる言葉。
本作は現在ナツガタリの学園ミステリーに参加している「生徒会からの挑戦状」ともリンクした内容となっているものです。
この少女の身に起こったこと。そして、それをきっかけに動き出した「何か」があると思われること。
ゾワゾワと想像力をかきたてられ、事実の全貌を見てみたいと好奇心や「怖いものみたさ」を強く刺激されました。
『被写体の祈り届かぬ校庭に止むことのないジョックロックが』
つい声に出してみたくなる歌!
『被写体』、『校庭』、『ジョックロック』。
カメラの中心の人物から会場全域へ、どんどんとカメラが引いていく構図が魅力的でした。
野球の試合の最中、もしくは終わり。ここ一番の大勝負に惜しくも負けてしまった『被写体』と数多の渦巻く感情を乗せた応援歌が響き渡る。そんなことを考えました。
もしくは、不幸にも亡くなってしまった誰かの魂が、祈りが。鎮魂歌がわりの『ジョックロック』によって称えられている。
そんな映像も浮かんでくるようです。
(元作品が存在する短歌みたいです!)
素晴らしい作品をありがとうございました。