第8話 感情を抑えること
2024年10月30日
「また来るね」
母親と父親にそう言って家を出て自宅へ向かった午前中。
電車に揺られふと入院していた病院や街並みを眺めていると
涙が自然と溢れてきそうになった。
母親と出かけた街が懐かしく感動した、
という訳ではなく、
ただただ何か大きい寂しさがあふれ出てきた。
もう一緒に歩くことは出来ないのかな。
もう一緒にお買い物には行けないのかな。
もう一緒に出来たことが出来ないのかな。
あまりにも出てくる「出来ない」
電車の中で深く帽子を被り直し、涙を堪え、
通り過ぎるそれをただ眺め、感情を抑えることに必死だった帰り道は
とても辛く長かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます