Ⅰ-3.ブリンク注意報③

「おい、オパエツ、お前アレはどういうことだ?」

「あれ、本当にオパエツがやったの?」

「オパエツにそんな才能があったなんて……」


 歌劇が終わった日の夜、私とナナナ、ヨッカの三人はオパエツが帰って来るなり、取り囲んで質問攻めにした。


 マレニは副団長との食事があるらしく、今日は帰らないらしい。オパエツも誘われたそうだが「面識もないヒトとの送別会ほど虚無なことはない」と断ったらしい。


「アレ? あぁ、光か。あれはこの星の岩石から金属元素を抽出して、本物の電球を一から作ったんだ。えらく面倒だった。普段なら電球のWRタグを石ころに仕込めばいいものの、鉄やらアルミニウムやらを」


「そんなことはどうでもいいんだよ!」


 ヨッカは興奮気味に、すれすれまでオパエツの顔に近づいて言葉を欲した。


「あの歌劇のマレニとオパエツ、いつから配役が入れ替わっていた? お前がマレニ役として歌っていたのは、いつからなんだ?」


 オパエツは満更でもなさそうな顔で、笑って答えた。


「いつからもなにも、最初からさ。どうせ岩石なんだ。入れ替わってもバレないだろうって、音声の波長だけ入れ替えてね。なんだ、気付かなかったのか? 八年も一緒に暮らしていて、傷付くなぁ、ヨッカ。イヨもナナナもだ」


「オパエツの演技の才能が凄かったからだよ」


 ナナナの言葉に、オパエツは更にニヤついた。


「マレニの歌劇団入ったら?」


 私が訊くと、一瞬で表情が険しくなった。さっきのヨッカくらいの距離で、口角泡を飛ばしてきた。


「絶対に嫌だ。マレニが切っ掛けで歌劇団に入るなんて御免だね。今回はマレニが真顔で謝ってきたのが面白くてのってやったんだ」

「まぁ、そういうことにしといてやろう。今日の功労者はねぎらわないと。な、ナナナ」


 ヨッカが目配せすると、ナナナはキッチンから豪華な料理を運んできた。


「マレニが今頃食べてる料理には敵わないかもだけど、僕らは僕らで楽しもう」

「ハッ! 今の俺にはナナナの料理が一番美味いさ」

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