第2話 雪降る夜。
これは
過去に起こった
実話です。
私が中学1年か、2年生だった時の実体験なのですが、
2月末か、3月初めかの、ものすごく寒い夜でした。
私の実家は古い木造平屋建てで、
リフォーム前は出入り口が木戸 ( 雨戸 ) だったんです。
冬の寒い時期は寝室に入り、中から木戸を閉め、さらに障子戸を閉めます。
当日の夜も、ものすごく寒くて、木戸と障子戸を閉めて布団に入ります。
真夜中に目が覚めました。
布団に入っている私の首元で、子猫が布団に潜り込もうとしています。
私は「外が寒いんだな」と思い、布団を少し持ち上げ、
猫が入りやすいようにしてやりました。
子猫は、ためらわずに布団に潜り込み、
横向きに寝ている私のおへその辺りで丸くなり、
ゴロゴロ のどを鳴らしながら、眠りにつきます。
私も子猫の背中を撫でながら、いつの間にか、眠っていました。
朝、目が覚めました。
私は布団の中の子猫を探しましたが、いません。
部屋中を探しても、子猫は、いませんでした。
障子戸と木戸を開け、寝室の外に出ると、一面、白くなっていました。
屋根には10cmほど、雪が積もっています。
子猫の力では、木戸も障子戸も、絶対に開け閉めできません。
どうやって子猫は寝室に入り、出て行ったのか?
私は思い出したのです。
昨晩、布団の中に潜り込んできた子猫は、3年前に死んでいたことを。
完
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