ある日の夜。

食いしん坊の食うかい?

第1話 病院のトイレで。

これは

 過去の

  話です。


私は、ある病院に入院していました。

病棟の夜は、9時に消灯です。

私はトイレを済ませた後、ベッドに入ります。


真夜中に、トイレに行きたくなり、ふと目が覚めました。

ベッドを下り、トイレへ向かいます。


でも、いつもとは、何かが違う。

まるで水中を歩いているように、空気が体に纏わり付いてきます。

スローモーションのように、1歩を歩くのに1秒くらいかかります。


""何か、おかしい""

そう思いながらも、漏れそうなのでトイレへ急ぎます。


普段なら病室からトイレまで、1分もかからない距離なのに、

今回は5分くらいかかって、やっとトイレに入れました。


ギリギリセーフで用を足します。

ホッと、一息つけました。


帰りは、何事も無く、普通に歩けました。

ベッドに入り、また寝ます。


朝7時、「おはようございまーす。」

看護婦さんが声掛けをしながら、病室に入ってきました。

検温と脈拍をチェックします。


私はその看護婦さんに、昨夜の出来事を話してみました。

看護婦さんは、小声で教えてくれました。

「だって、この病棟のトイレって、慰安室の真上に有るんだもん。」


              完

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