明日は君と

@haku12_46

第一話目覚め

 1人の青年がベットの上で目を覚ました。「ここはどこだ?」

 長い眠りから目覚めた青年は周りを見渡した。

 横に1人の老婆がベットに寄りかかりながら腕を枕にして寝ていた。

「すみません。ここはどこかわかりませんか?」

 青年は眠っている老婆に対して問いかけた。老婆は少しびっくりし眠い目を擦りながら青年を見つめた。老婆の瞳孔がだんだん開いていく。老婆は青年を見つめながら「龍沙…龍沙やっと起きた」老婆は目から涙が溢れ出していた。青年は困惑した。老婆は困惑した青年を気にせずに語った。「龍沙やっと起きてくれた。すぐにお医者さん呼んでくるから待っててね」老婆は青年を抱きしめたあとすぐに医者を呼びに行った。青年は老婆の迫力に押され何も言葉を話せなかった。少し経って遠くから微かに話し声が聞こえる。「龍沙さん言葉は言えてましたか?」「はい。やっと話してくれました」どうやら医者と老婆の会話らしい。だんだんと話し声が大きくなっていく。青年は話し声から感じ取った。老婆の声がとても震えていることに。

 ノックの音「龍沙さん入りますよ」医者の声だ。青年は医者が前に歩いてくるのをじっとみている。医者はクリップボードを見ながら何やら書いているらしい。「龍沙さんここがどこかわかりますか」医者が青年に対して問いかけた。その間も老婆は青年の隣で泣いている。「病院?ですか?」青年は戸惑いながら医者の問いかけに答えた。医者は青年の回答を聞きさらに質問をした。「ではあなたの本名と血液型はわかりますか?」青年は戸惑った。しばらくの間老婆の泣いている音が部屋全体に響いていた。医者が青年を見て口を開けようとした時「すみません。自分がなんて名前なのかわからないです。」青年はベットの自分の体を見て言った。老婆の泣いている音が止まった。

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