2:20

またこの時間にわたしの目は冴えている

どうしようもない不安を抱え、道のない未知な場所で明かりすら見えないまま歩いている

ある人は言った

傷口は近くにありすぎると

無意識に手が伸び、必然のかのように触れてしまうのだと

その通りだと素直に納得してしまった

わたしはこの傷を醜い醜いと言いながら

愛してもいたのだ

そして気がつけば泣いていた

ああ、これがわたしだ

わたしなのだと教えられた

受け入れられるはずはない、そう思う反面

わたしは涙という形で認めてしまった

悔しいと思った

その一言に振り回されて納得したわたしに

わたしは怒りを覚えた


誰でもいいからわたしをどうにかして


こんな夜はもう散々だ

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音にならない世界で 白骨死体 @haxtukotushitaiif72

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