第25話

ノエルは肩を落として、しばらく泉にいる、娘達を眺めていた。

「女子が絶滅かあ……」


白巴菜が呆れ顔で言う。

「まだ言ってる」


UKが小首を傾げてノエルを見た。

「ノエルさんは不満なんですか?」


ノエルは真剣な顔でUKを指さした。

「女子は神なの。神は絶滅しないの」


UKはふっと苦笑する。

「ふむふむ。なるほどです」


ノエルは頭を抱えた。

「……。なんでそんな……神聖な女子が絶滅するかなあ?おかしくない?」


UKは泉を見つめたまま、淡々と口を開いた。

「帝国の歴史書には、女性が、その性別的優位性を維持できなくなったと記録がありますね」


白巴菜が顔を向ける。

「ダーリン、詳しいね」


UKは少し照れたように笑った。

「子供の頃、学校で少しだけ勉強しました。魔界基礎教養です」


ノエルが食い入るように詰め寄る。

「具体的には?」


UKは目を伏せて、静かに説明を続けた。

「乳房や臀の発達障害。それに生殖機能の恒常的な機能障害。女性特有遺伝子の一部が劣化脆弱化し、さらに女性のみが罹患する無遺伝性の病が流行しました」


「うわー……想像以上に深刻……」ノエルが怯える。


「魔界女性を助けるために魔界の優秀な魔導師や医師が力を尽くしたと伝えられています。でも結果的に治療法は間に合わず、数十年で男女人口比率が崩壊して……」とUK。


白巴菜は言葉を失って、遠い泉にいる娘達に視線を落とした。

ノエルは唇を噛みながら呟く。

「……女子は神なのに……」


門蔵聡里はただ静かに泉にいる娘達たちを見守っていた。

泉の向こうで、羽青が無邪気に笑い声をあげていた。

その姿があまりに健気で、白巴菜もノエルも悲しくなった。

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