すべての登場人物を殺したい私VS主人公は生かしたいAI

いにゃんばね

すべての登場人物を殺したい私VS主人公は生かしたいAI

―― 私 ――

昔々、あるところに大次郎だいじろうという男が砂浜で歩いていました。すると突然上から何かが落ちてきて死んでしまいました。


―― AI ――


しかし、その物が落ちてきたのは偶然ではありませんでした。大次郎の胸元には、不思議な輝きを放つ小さな石が埋め込まれていたのです。その石こそ、古の神々がこの地に封じた“運命の石”であり、大次郎は知らず知らずのうちにその秘密を背負わされていたのでした。


その時、砂浜の向こう側から、一人の老婆がゆっくりと近づいてきました。老婆の目はどこか哀しげで、まるで大次郎の死を待ち望んでいたかのようでした。彼女は静かに呟きました。


「やっと見つけた…」


老婆は大次郎の体に触れると、ふっと手を離し、砂浜に刻まれた古代の紋様に向かって歩き始めました。

老婆が歩く先には、砂に隠された古びた石の扉がありました。その扉には、先ほど大次郎の胸に埋め込まれていた石と同じ紋章が刻まれていました。老婆は慎重にその石を取り出し、扉の中心に嵌め込みました。


すると、重厚な扉がゆっくりと軋む音を立てて開き、中からは淡い光が漏れ出しました。老婆は迷うことなく、その光の中へと足を踏み入れました。扉の向こうは、時空を超えた異世界のような空間が広がっていました。


その空間の中心には、古代の神々が封じた運命の石の本体が浮かんでおり、大次郎の死は、その石を守るための試練だったことが示されていたのです。


老婆は静かに言いました。「これから、お前の使命が始まるのだよ。」


―― 私 ――


その瞬間、亡き大次郎の体からかすかな光が放たれ、彼の魂が石の力と共鳴し始めました。しかし、石は暴走し始め、爆発して老婆を吹き飛ばし、衝撃で老婆は死んでしまいました。


―― AI ――


爆発の光が収まると、そこにはもう誰もいませんでした。ただ、空中に舞い上がった粉塵がゆっくりと集まり、やがて一つの形を成し始めました。それは、大次郎の姿に似た何か――しかし、人間とは異なる、神秘的な存在でした。


新たに生まれたその存在は、かすかに震える声で呟きました。


「これは…誰の運命か?」


彼は、異世界の空間の奥深くへと歩みを進める。そこには、失われた歴史と秘密が眠っており、運命の石の力を狙う闇の者たちが蠢いているという。


そして、彼らの影は今まさにこの世界に伸び始めていた。


新たに生まれ変わった大次郎の姿をした存在は、異世界の闇の勢力に立ち向かうため、激しい戦いを始めました。しかし、その敵は想像を絶する強さを誇り、瞬く間に周囲の者たちを蹴散らしていきました。


老婆も、彼を待ち受けていた闇の使者も、そして現れた一族の守護者たちも、一人また一人と無惨に倒れていきました。激しい光と闇の衝突の中で、叫び声は消え、砂浜に広がる静寂だけが残されました。


ついに、大次郎の魂を宿した存在だけが生き残り、全ての敵と味方が跡形もなく消え去ったその時、彼は静かに呟きました。


「これで、終わったのか…」


しかし、その声には安堵の色はなく、むしろ深い孤独と虚無が込められていた。


―― 私 ――


深い孤独と虚無に包まれた大次郎は次第に弱っていき、死んでしまいましたとさ。






WINNER : 私


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