第3話 エデン・オブ・フロンティア

「そもそも、この「エデン・オブ・フロンティアEoF」ってどんなゲームなんだろ。PVあるかな??」



探してみて2分。


「お、あった。あー、バズってんなー。1日前なのに3億回って、どんだけ人気なんだよ。」





【pv】


ゴーンゴーンと街の鐘がなる。

そこはまるで中世の街並みで、とても平和そうで。恋人が、家族が笑い合いながら暮らしている、それはそう、まさに『平和』を体現したようなかんじな街だ。


「ここは、「王都パルディラ」。恐らく、この世界の中で、最も平和な、平穏な都市だろう。」



そうして、ところ変わって暗い場所。






「私は、ただの裕福な家庭に産まれた。愛されてる自信はあった。でも、今は、私はこんなに暗い地下牢にいるの。きっと、私は家族に売られれたんだ。」


女の子の声。


「あ、あはは、私、家族から捨てられたんだ…………そっか、そう、よね。私は」



そうして、16も行かなさそうな年端の行かない女の子が正座をして、胸のあたりで、手を手錠で縛られている。そして、花を持っている。それはまるでなにかを捧げているようで、





まるで───────────




助けを求めているようだ。









「……………なるほど、どうして皆これを見るのかわかった気がする。胸糞悪いが…………。言わせてもらえばクソゲーだな。久々に会ったよ。こんなクソゲー。なーにがエデン楽園だ、ゲヘナ地獄じゃねぇか。別に助けられる気がしないが、やるだけやってやるよ。別に死んじゃダメと言ってないけど、最初からノーデスできるとは思っていないしな。とはいえ、目標は高く持とうか。目指せ、ノーデス救出。やってやるよ。」







一ゲーマーが本気を出すと決めた瞬間である。





「まぁ、明日からなんだが。………その間に宿題やっておくか。今はちょうど夏休みが始まったばっかだ。今日終わらせて明日プレイしてやる。」





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